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未払い・未収を出さないための管理対策と代金の回収方法

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事業をしていく中では、「取引先から予定の日に入金がない」「何度請求しても支払われない」という経験をお持ちの方も少なくないと思います。

これらの中には、「一時的に資金繰りが厳しくて予定日に入金できなかった」や「残高不足で引き落しができなかった」という単純なミスによる場合もありますが、確信犯的に支払いをしないという悪質なケースもあります。しかし、いずれにしても支払いの遅れや未入金に対しては、早期に毅然とした対応をしないとさらに回収が難しくなってしまうケースが多いといえます。

この記事では、未入金があった場合の対応方法と、不測の事態を防ぐための準備について解説いたします。

目次

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掛売や後払いの注意点

通常、事業での支払いの多くは、売掛という形の後払いで行われるのが一般的です。たとえば「毎月末日締め、翌月10日払い」などがその代表的なものとなります。

しかし、売掛や後払いの決済には、次のようなリスクがあるといえます。

1. 資金繰り悪化の要因となる

代金の支払いを売掛で行っている場合、支払いの条件によっては数ヶ月にわたって入金がされないことがあります。

たとえば、支払い条件が「毎月末締め、翌月末払い」となっているケースでは、9/1に販売した商品の代金は10/30となるため、販売から入金までの期間は約2ヶ月となります。

このような入金時期の長期化は、代金が少額の場合には大きな問題とはなりませんが、まとまった金額の場合には、つなぎの運転資金の借り入れにつながります。

飲食店のように「販売 = 代金の支払い(入金)」となる商売の場合にはこのようなことは問題とはなりませんが、掛けで取引をしている場合には必ず売掛金の支払いに先行して買掛金や経費の支払いが発生するため、入金までの期間が長くなるほど資金繰りを悪化させる要因となります。

2.代金が支払われなかったときの回収が難しい

売掛による取引は無担保・無保証で行う「一種の信用貸し」となります。売掛には、取引がスムーズに進んでいるときには、印紙代や契約手続きといったコストや手間がかからず簡単にできるというメリットがあります。しかしが担保や保証人等の支払いの引当てがないため代金が支払われなかった場合にはその回収が非常に難しくなります。

このように売掛は、一種の「信用による取引」であるため、これを行う場合には「未払いが発生した際にどうするか?」ということだけでなく、「未払いを生じさせないためには何をしておくべきか?」ということも考慮しておく必要があります。

代金の未払いが生じた場合の対応の手順

もし、商品等の代金の未払いが生じた場合には、以下の手順で代金の回収を進めていくこととなります。

1. メールや文書による請求

代金の支払いが期日までにされない場合には、まずはメールまたは手紙などで支払いの督促を行い、相手の出方を確認します。前述のように単に手元資金が不足して支払日に間に合わなかったというケースもあるため、まずはメールや電話、文書などで請求を試みます。

この場合、電話による請求がもっとも簡単ですが、これだけでは後日に争いとなった際に請求した事実を証明することが難しいため、電話だけでなくメールでも通知し、その記録を残すことが重要となります。

メールによる請求の場合には、以下のポイントを落とさないように注意してください。

  • 対象となる商品やサービス名と請求金額
  • 本来の支払日と支払いがされていない旨
  • 支払ってほしい期日
  • もし、何らかの事情により支払いができないのであれば、その理由と支払いが見込める日にち

例)
〇〇物産株式会社
〇〇部 △△さま

「お世話になっております。〇〇商事の〇〇です。

貴社とお取引をさせていただきました〇月分の商品〇〇の代金のご入金が、支払い予定日の〇月〇を過ぎても確認できませんでした。

つきましては、貴社にてもご確認いただければと思いますが、ご入金漏れが確認できましたら、〇月〇日までにお支払いいただければと思います。

また、もし、この日までにお支払いが難しい事情がございましたら、改めその旨をお申し出いただければと存じます。

なお、万が一、本メールとご入金と行き違いとなりました際は、ご容赦いただければと存じます。」

相手は取引でもあるため、はじめの時点からあまり強い態度で請求をしてしまうとその後の関係に支障が出るだけでなく、ケースによってはかえって相手をかたくなにしてしまう可能性があります。

そのため、この時点での請求は、できるだけ、穏便な態度でお願いするのがスムーズな支払いにつながります。

内容証明の送付による請求

以上の方法で何度もお願いしたにもかかわらず、返信がないもしくは支払いがない場合は、ほぼ相手に支払いの意思がないと判断できます。したがって、このような場合には手続きを一歩進めて内容証明による請求に手続きをすすめます。

内容証明には督促をした事実を公的な記録として残し、一時的な時効中断を生じる効果がありますが、それだけでは支払いを強制できる効果はありません。また、後日裁判などに発展した場合、内容証明の内容は有力な証拠資料となりますが、こちらに不利となる内容が書かれている場合(脅迫や恫喝まがいの文言や、虚偽の内容等)には、こちら側に不利な証拠となってしまうため、その表現には注意する必要があります。

内容証明郵便には、以下のような注意点があります。

〇 内容証明には、字数・行数に制限があります。

(縦書き)

  • 1行20字以内、1枚26行以内

(横書き)

  • 1行20字以内、1枚26行以内
  • 1行13字以内、1枚40行以内
  • 1行26字以内、1枚20行以内

〇 「電子内容証明郵便(e内容証明)」または通常の郵便のいずれかで送ることができますが、後者による場合には、内容証明郵便の取扱郵便局から送る必要があります。

〇 使用できる文字や訂正・削除の方法や、文字のカウント方法に一定の決まりがあります。

〇 同じ内容の文書を3通用意し、用紙が複数枚となるときは契印を押す必要があります。※通常郵便の場合

〇 一般書留で送る必要があり、内容に応じた一定の料金がかかります。

<内容証明の料金>

基本料金+一般書留の追加分料金+内容証明の加算料金(440円)※2枚目以降は260円増となります

支払い督促手続き

内容証明郵便で請求しても相手が支払いに応じない場合には、法的な手段で対応します。

法的手段の代表的なものとしては、「訴訟」と「支払い督促手続き」の2つの方法がありますが、支払い督促手続きは、裁判よりも比較的簡単な手続きで、相手に支払いを強制することができます。

「支払い督促」とは、任意に代金の支払いがされない場合に、簡易裁判所の書記官が相手方に金銭の支払いを命じる制度です。なお、支払督促ができるのは. 金銭の支払又は有価証券若しくは代替物の引渡しを求める場合に限ります。

支払い督促手続きには、次のような特徴があります。

〇 申立人の申立てにもとづいて、裁判所書記官がその内容を審査し、相手方の言い分を聞かないで金銭の支払い等を命じるため、迅速に処理することが可能。

〇 費用が数千円から数万円程度と少ない負担で済む。

〇 支払督促によっても相手方が支払いをせず、異議申立てもしない場合には、申立人は支払督促に仮執行宣言をつけてもらい、強制執行をすることができる。

〇 相手方が異議の申し立てをした時には、自動的に裁判手続きに移行してしまう。

そのため、相手からの異議が予測される場合には、はじめから通常の訴訟や少額訴訟による方が無駄なく手続きをすることができます。

【支払督促申立書の例】
支払督促申立書

賃 料 等 請求事件
当事者の表示  別紙当事者目録記載のとおり
請求の趣旨及び原因  別紙請求の趣旨及び原因記載のとおり
  「債務者 ら は, 連帯して債権者に対し,請求の趣旨記載の金額を支払え」
との支払督促を求める。

申立手続費用   金 〇〇〇,〇〇〇円

内   訳
申立手数料(印紙) 8,000円
督促正本送達費用(郵便切手) 2,160円
支払督促発付通知費用      240円
申立書作成及び提出費用    800円
資格証明手数料         2,000円

令和〇年〇月〇日

住    所 : 〒000-0000
(所在地) 東京都〇〇区○○町〇-〇-〇
債権者氏名 :    〇〇商事株式会社
(名称及び代表者  代表取締役 甲山 太郎
資格・氏名)
(電話: 〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇   )
(FAX: 〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇   )

東京簡易裁判所 裁判所書記官 殿

価額     〇〇〇〇〇〇〇円
貼用印紙      〇〇〇〇円
郵便切手      〇〇〇〇円
葉書           2枚
添付書類    資格証明書2通 ※一方が個人、相手が法人の場合には1通

訴訟または少額訴訟

支払い督促による支払いが見込めないとき、または支払い督促に対して相手が異議を申し立てたときには、訴訟により回収を図ることとなります。

<通常の訴訟>

民事訴訟は、訴額(紛争の対象となる金額)が140万円以下の場合は簡易裁判所で、140万円を超える場合は地方裁判所で行われます。

通常訴訟では、裁判官が認めれば証書(文書による証拠)に限らず、証人や当事者への尋問、鑑定などすべての証拠について取り調べをすることができますが、その分時間がかかり、また、審理が行われる頻度も1ヶ月に1~2度程度のため、最終的な判決が出るまでにはある程度の時間がかかります。

<訴訟や支払督促にかかる費用>

訴額 訴訟 支払督促
10万円 1,000円 500円
万円 5,000円 2,500円
100万円 10,000円 5,000円
200万円 1,5000円 7,500円

※上記以外に、郵便切手代(3,000円程度)が必要となります。

なお、訴訟手続きを弁護士に依頼した場合には別途に弁護士費用が必要となりますが、訴額が少ない場合や少額訴訟の場合には、弁護士費用の方が高くなってしまうことがあるため、代金とのバランスを考慮して行う必要があります。

※訴訟とは別に差し押さえなどの執行手続きが必要な場合には、さらに別途の費用がかかります。

<弁護士費用の相場>

着手金:定額または訴額の約5~10%
報酬金:回収金額の約10~20%

※ 強制執行の費用は、その手続きの内容による

少額訴訟手続

少額訴訟手続とは,60万円以下の金銭の支払いを求める訴えについて,原則として簡易裁判所における1回の審理で紛争を解決する特別の手続です。少額の紛争を短い時間と費用で解決することを目的として作られました。

少額訴訟手続では,訴えの内容に応じた定型の書式が用意されているので、これを利用すれば法律知識のない方でも訴状を作成することができます。ただし、訴えの内容が定型以外のものである場合には、それにあった請求の原因や趣旨を自分で考える必要があります。

少額訴訟は,審理をした当日に判決が出されるため、迅速に手続きをすることができますが、提出できる証拠は書類などの証書に限られ、証人尋問や鑑定などその他の方法での証拠調べをすることはできません。

少額訴訟手続の判決に対しては,「同じ簡易裁判所に異議の申立てをすることができますが,地方裁判所に控訴をすることはできない」「少額訴訟手続の利用回数は1人につき同じ裁判所に対して年間10回まで」などの制限があります。

なお、実際の少額訴訟の手続きにおいては、「司法委員」が選任されるのが普通であり、多くのケースでこの司法委員による和解の手続き強行に勧められることがあります。

和解をした場合には和解調書というものが作られ、これには判決と同様の執行力が認められますが、和解をするためには何らの部分で原告側も譲歩しなければならないため、司法委員の調停案を鵜呑みにすると、当初考えていた内容よりも不利な内容で調停となってしまうことがあります。したがって、100%に近い勝利が認められるような場合には、調停ではなく判決を求めた方がよいといえます。

少額訴訟の訴状の例

刑事告訴の可能性

以上の手続きを行っても回収か難しい場合には、刑事事件として告訴できないかを弁護士に相談してみましょう。通常は、契約違反があったからといって、それを理由に刑事告訴をすることはできません。ただし、取り込み詐欺のように、「その相手が同様の手口で何件も同じことをしており、被害者が多数いる」、「はじめからから商品やお金を騙し取ることが目的であったという明確な証拠がある」などの場合には詐欺罪等として被害届の提出や告訴を検討できる場合があります。ただし、告訴をする場合には、正式な告訴状を作成する必要がある、犯罪の構成要件に該当しているかの判断が必要となるなどのため、弁護士に依頼した方がよいでしょう。

請求から回収までの手続き

代金の請求から回収までの手続きは、相手の対応の違いにより次のいずれかとなります。

相手に支払い意思が感じられる場合

相手に支払い意思があると感じられる場合には、通常の手紙やメールによる督促手続きをした上でしばらく様子を見ます。

相手に支払い意思が感じられない、または支払い不能が予想される場合

複数回の督促をしても反応がない、もしくは相手に支払い意思がないことが明確な場合には、次のような手順で代金の回収を図ります。

内容証明の提出 → (支払い督促手続き) → 通常訴訟または少額訴訟 → (判決等にもとづく仮差押え) → 差し押さえ ※支払い督促や仮差押え手続きは、必須ではありません。

もし、相手が財産の処分を図る可能性が高いような場合には、仮差押えや処分禁止の仮処分を裁判所に出してもらい、財産の保全を図る必要がありますが、その場合には一定の金銭(金額裁判所が決定)を供託する必要があります。ただし、正式な判決にもとづく差し押さえをする場合には、供託金は不要です。

回収不能とならないための準備の仕方

裁判で勝訴しても、相手に支払い能力や支払い意思がない場合には、代金の回収をすることができないため、差し押さえ等の強制執行手続きが必要となりますが、それにはさらに時間と費用が必要となります。また、不動産の差し押さえをしても、抵当権などの優先弁済権が登記されている場合には、一般債権者である原告の手元に残る額はほとんどないというのが実情です。したがって、このような回収不能を起こさないためには、訴訟等によるよりも、普段の取引の時から回収をするための準備をしておくことが重要となります。

必ず個人の開業届(写し)や会社の登記事項証明を取得する

相手が法人の場合

取引の相手が法人の場合は、法務局でその会社の登記事項証明書(従前の登記簿謄本)を取得することができるため、取引を始める前には必ずこれを取得して内容を確認しておきます。登記事項証明書は相手から交付されることもありますが、その場合でも必ず自分でも取得するようにしましょう。なぜなら、登記事項証明書を取得した後に、役員や代表者の交代、本店移転などの重要な変更手続きがされていることがあるからです。また、◯◯会社と名乗っているにも関わらず、登記事項証明書が取得できないときは、そもそも会社が存在していないので、その時点で即刻取引を中止すべきといえます。なお、登記事項証明書の末尾に「◯年◯月◯日に◯◯県◯◯市◯◯から本店移転」と記載されている場合には、念のため、閉鎖謄本も取得します。なぜなら、このような場合には、他の休眠会社を買収して犯罪の受け皿として利用している可能性があるからです。このような会社では、買収した休眠会社の登記事項を新しく書き換え、過去の会社の形跡が表に出ないようにしているのが常套手段ですが、その際には登記事項証明書の末尾に先のような記載がされるため、これを追って閉鎖登記簿を取得すれば、以前の会社の状況や経緯を把握することができます。

相手が個人の場合

相手が個人事業主の場合には登記事項証明書はありませんが、その場合には税務署へ開業届の提出をしているはずですので、その写しを提出してもらい内容を確認します。この場合の確認は、税務署の受付印のあるもので行います。これがない場合には、まだ、税務署に届出をしていないということを意味するので、必ず税務署の受付印のあるコピーをもらうようにしてください。中には、「忙しくて開業届を提出していない」という方もいますが、その場合は正式な形での事業を行っていないことになりますので、取引を見合せた方がよいでしょう。

インターネットで相手企業の情報や評判を確認する

最近では、ほとんどの会社でホームページを持っているのが当たり前となっています。なので、相手企業のホームページのアドレスがわかる場合には、そのページを閲覧し、そこに記載されている会社の概要と登記事項証明書の内容(とくに本店所在地や役員)に相違がないかを確認します。設立直後にはホームページを作っていないこともよくありますが、設立からある程度の年数が経過しているにも関わらずホームページがない場合は注意した方がよいでしょう。なお、インターネットで「その会社の名前+評判」、「代表者の名前+評判」などのキーワードで検索することでも、有力な情報が得られることがあります。過去に詐欺などを働いた会社や代表者については、新しい会社を作って同じことをしている場合が少なくないため、SNSなども使って広く調べましょう。

取得した会社の番号や個人の携帯番号に連絡してみる

相手から名刺を取得した場合は、会社の代表番号や代表者の携帯番号に電話をし、本当にその番号が存在するかを確認します。「いつかけてもでない」「通話ができない」「いきなり秘書サービスに転送される」などの場合は、要注意といえます。また、特定の電話番号を入力すると、迷惑電話やいかがわしい勧誘に使われた番号かを教えてくれるサイトもあるので、このようなものを使ってもよいでしょう。

事務所が本当に存在するかを確認する

相手の会社を調査するうえで、非常に有効なのが「相手の会社に行ってみる」ということです。名刺や会社の登記事項証明書に記載されている本店所在地に実際に出向いて、本当に事務所が存在するのかを確認します。中には「自社ビルという話なのに、実際はレンタルオフィスだった」、「住所の場所にそのような会社が存在しない」ということも少なくありません。事務所所在地が遠方の場合には直接出向いて調べるのは難しいですが、このような場合でも、「なんでも屋」のような業者を使って確認を代行してもらうことができます。その際には、

  • 指定の場所に、その会社の事務所があるのか?
  • ある程度の人の出入りはあるのか?
  • レンタルオフィスなどではないか?

などの確認とともに、写真を撮ってもらえばよいでしょう。

許認可会社の場合には、監督官庁の名簿等で確認する

相手が許認可を取得している会社である場合には、その許認可を監督する官庁のホームページで「その会社がきちんと登録されているか?」を確認しましょう。国や自治体の許認可を必要とする事業については、たいていの場合、その事業者の名称・取得年月日・登録番号などが自治体等のホームページに掲載されているので、これらを使って提出された資料に間違いがないかを調べます。通常、詐欺を働く会社では許認可まで取得しておらず、名刺等に記載された内容も虚偽であることがほとんどですが、もし、確認をして登録がされていない場合には、取引はしないことです。しかし、中には建設業のように500万円未満の工事であれば許認可を取得していなくとも事業ができるケースもあるため、すべての場合で「許認可がない=事業ができない」ということではないことに注意してください。

代表者の身分証明書をコピーする

取り込み詐欺や計画倒産を考えているようなケースでは、会社の情報を見せることはあっても、代表者が個人の情報を見せることを極端に嫌がります。そのため、取引をする前には、名詞だけでなく、シッカリと代表者の免許証等のコピーを取って身元を確認しておく必要があります。健康保険証のように顔写真がないものしか用意できないという場合には、本人であることを確認できる公的な資料もあわせて取得する必要があります。

その企業の取引先や金融機関の口座情報を確認しておく

回収不能を防ぐために意外と重要になるのが、「その企業の取引先の情報」や「金融機関の口座情報」です。なぜこれが重要かといえば、万が一、相手の売掛金や預金口座を差し押さえるときには、これらに関する一定の情報が必要となるからです。裁判で勝訴し、それにもとづいて差し押さえをすることができる財産には大きく分けて「動産」・「債権」・「不動産」の3種類がありますが、現実的に差し押さえができるのは「債権だけ」です。この債権に対する強制執行を「債権執行」といいますが、差し押さえることができる債権の代表的なものが預貯金や売掛金となります。しかし、これらの債権を差し押さえるには、売掛金については売掛先とおよその売掛額、預貯金については金融機関名と預貯金口座の番号がわかっている必要があります。そのため、相手が警戒する代金の未払いが発生する前の時点で、これらの情報をつかんでおく必要があります。なお、預貯金者の情報は、金融機関に問い合わせであっても教えてもらえないため、本人から取得しておかなければなりません。

何回かは、代金の半額を現金でもらう

取引をする際には、はじめてのときだけでなく、できれば3回目くらいまでは半額を現金でもらうようにしておくと安全です。なぜなら取り込み詐欺では、相手に信用させるため2回目くらいまでは現金で支払うことが多いからです。そして3回目以降の取引で大きな取引を掛けで持ちかけ、そのまま逃げる、倒産するというのが常套手段です。そのため3回目ぐらいまで、または大きな額の取引をするときには、半金を現金でもらうなどとしておくと、万が一のときも大きな損害となりにくくなります。

決算書を提示してもらう

詐欺会社などではどんなに上手く繕っていても、決算書までは作っていないのが普通です。また、仮にこれを作成していたとしても、たいていは実質的な取引や取引先がないということがその内容からわかります。決算書を提示してもらう場合には、必ず税務署の受付印のあるもので、貸借対照表と損益計算書以外の勘定科目明細を含めたすべての資料を提示してもらうようにしてください。なぜなら、その他の部分には、会社の基本情報や関係者、使用している銀行口座や取引先、借入先などの重要な情報が含まれているからです。なお、決算書が提示された場合には、「資本金の額」「株主構成」「貸借対照表と損益計算書の内容」「取引先金融機関」「取引先企業」などの情報を重点的に確認しますが、情報の読み取りに自信がない場合には、顧問税理士などに協力してもらうのがよいでしょう。

代表者の連帯保証をとる

大きな額の取引をする場合や相手の支払い能力が乏しいと思われるような場合には、代表者等に連帯保証人になってもらうようにします。これにより、会社が倒産した場合でも、代表者個人から取り立てをすることが可能となります。なお、代表者の連帯保証を取る場合には、必ず契約書または差入書に実印で押印してもらい、その印鑑については印鑑証明書を取得します。また、相手が手形の発行をしている会社の場合には、請求額と同額の手形を発行してもらい、それに相手の会社の代表の裏書をしてもらうことでも、連帯保証と同様の効力を得られます。

相殺が可能な準備をしておく

相殺とは、自分と相手に同じ種類の債権(相手会社への売掛金と買掛金など)がある場合に、債権同士を対等額で打ち消し合うことで、清算する法律行為のことをいいます。相殺の優れているのは、相殺化ができる状況であれば、相手の同意なく、こちらの一方的な意思表示だけでこれを行うことができる点にあります。そのため、相殺をすることで、実質的に代金の回収をしたのと同じ効果を得ることができます。例えば、取引先であるA社が代金の支払いに応じてくれない場合、A社が販売している商品を購入して、双方の支払いを相殺するなどが考えられます。(購入した商品は売却して代金を回収)ただし、有効に相殺をするためには、法律で定められた条件(相殺適状)が満たされている必要があるため、実施にあたってはあらかじめ専門家の確認を得て行うようにしてください。

まとめ

事業の取引において代金が未払いとなったときに回収する方法はいくつかありますが、実際にはトラブルとなってからでは手遅れなことも少なくないため、あらかじめ未払いを発生させないための注意や仕組みを作っておくことが重要となります。万が一、未払いが発生した場合には、時間をおかず、速やかに対応することで、回収率を上げることができるだけでなく、相手も「この会社は未払いに対して厳しい」という意識を持つため、その後の予防にも役立ちます。

もし、支払い督促手続きや訴訟にまで発展した場合、回収額が少ないケースでは弁護士費用の方が高くなってしまいますが、少額訴訟手続き程度であれば十分本人だけで行うことができるので、ご自身で挑戦することをおすすめします。

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