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飲食店開業希望者が知っておくべき!営業許可他資格の申請手続きと取得のポイント

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事業計画

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これから創業される方の中には、飲食店の開業を希望される方も少なくないと思います。しかし、飲食店の営業をするためには必ず一定の資格を取得する必要があり、これをしなかった場合には営業ができないだけでなく罰則の対象となります。

また、これらの資格は融資の申込み前に取得しておかなければならないため、その場合には融資手続きとのスケジューリングも重要となります。

この記事では飲食店の開業に欠かせない3つの資格の概要とそれぞれの違い、取得のポイントについて解説いたします。

目次

飲食店開業の状況と必要な資格について

最近の飲食店の開廃業に関する状況について

飲食業界においては、ここ数年コロナの蔓延により厳しい経営環境が続きましたが、2021年秋以降は緊急事態宣言が全面解除となり、一定の集客を確保できているところも増えつつありました。しかし再度の感染蔓延や円安・原材料の値上げにより再び厳しい局面を迎えているといえます。

これを開業の状況から見てみると2021年中小企業白書によれば、全産業の開業率は3.4%となっていますが、「宿泊業,飲食サービス業」の分野を見た場合、開業率は8.7%と平均を大きく超えています。このように、厳しい状況下においても飲食店の人気は高いことが伺えますが、開業率が高い原因の一つとして「参入障壁の低さ」があげられます。飲食店では最低2つの資格が必要となりますが、いずれもその取得自体は容易です。また、これらの資格等は開業する方の調理技術や評価を保証するものではないため、極端なことをいえば飲食業の経験がまったくない方であっても、開業することができます。また、飲食店の人気が高い理由としては「飲食業という存在が身近である」ということも大きく影響しています。我々は、子供の頃から外食の際に飲食店を利用していますが、そこで見たり、食べたりした経験が飲食店へのあこがれを形作る要因の一つとなっています。

このように、誰でも始めやすく親しみがあることが要因となって飲食業の人気が高まっているわけですが、開業するには関係する資格等を取得する必要があり、また、これらのことは融資等の資金調達にも大きく影響します。

飲食業の開業で必要となる許可や資格

飲食店を営業するときには、最低でも「営業許可」と「食品衛生責任者」(またはこれに代わる資格の保有)の資格が必要となります。

さらに、深夜営業を行う場合には、これらに加えて「深夜営業の届出」(「深夜酒類提供飲食店営業開始の届出」)も行わなければなりません。

これらの許可や届出については、次のような違いがあります。

食品衛生責任者 営業許可 深夜営業の届出
対象 飲食業等の営業 飲食業の営業 深夜に酒類の提供をする営業
種 別

資格

許可

届出
提出先 保健所 警察署
取得等の期間 法定講習終了後、即日取得 施設検査後2~3日で許可証交付 届出から10日後に営業可能
検 査 必ず施設検査が行われる 原則、施設の検査は行わない
費 用 10,000円(受講料) 18,300円(新宿区の場合) 無料
難易度 非常に容易 容易 難しい

食品衛生責任者の資格について

「食品衛生責任者」とは?

食品衛生法施行規則例別表第17条によれば、「営業者は、食品衛生責任者を定めること」とされています。そして、選任された食品衛生責任者は、営業者の指示に従い、以下の業務を行います。

  • 食品衛生に関して営業者に改善等を進言する
  • 法令や制度の変更に留意し、違反行為のないように努める
  • 食品衛生に関する講習会を定期的に受講し、最新の知識を得る
  • 従事者への衛生教育を行う

ただし、以下に該当する方については、食品衛生責任者の資格の取得は不要となります。

  • 食品又は添加物の輸入をする営業を行う者
  • 食品又は添加物の貯蔵のみをし、又は運搬のみをする営業を行う者(食品の冷凍又は冷蔵業を営む者を除く。)
  • 容器包装に入れられ、又は容器包装で包まれた食品又は添加物のうち、冷凍又は冷蔵によらない方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質の劣化により食品衛生上の危害の発生のおそれのないものの販売をする営業を行う者
  • 器具又は容器包装の輸入をし、又は販売をする営業を行う者

食品衛生責任者の資格なく営業した場合や、または名義貸しで営業した場合には、保健所から是正勧告や営業の停止といった行政処分を受けます。

なお、食品衛生責任者と似たものに「食品衛生管理者」がありますが、こちらは粉乳や食肉製品、魚肉ハム・ソーセージ、マーガリンなど、法律で定められた一定の業種で必要となる資格であって、一般的な飲食業の営業では不要となります。

「食品衛生責任者」の資格を取得するには?

食品衛生責任者の資格を取得するためには、保健所長または区長が実施する講習会または知事の指定した講習会を受講する必要があります。
※ ただし、都道府県によっては受講に一定の制約をしている場合があります。

講習の場所や頻度は、都道府県により異なりますか、東京都の場合、都内10~12ヶ所で不規則に10回/月前後の講習が行われています。(受講料 10,000円)

資格の取得は簡単で、一定の科目について1日の講義(座学)を受講すればほぼ100%取得することができます。講義の内容は、主に衛生法規、公衆衛生学、食品衛生学などで、講習後にはテストも行われます。

ただし、次の資格を有する方は講習を受けずに、食品衛生責任者となることができます。

  • 栄養士、調理師、製菓衛生師の資格の保有者
  • 食鳥処理衛生管理者、と畜場法に規定する衛生管理責任者・作業衛生責任者
  • 船舶料理士、食品衛生監視員の資格の保有者

「食品衛生責任者」の資格取得の注意点

<講習会の受講について>

講習の受講は、住所地、勤務地、従事経験の有無、学歴等を問わずすることができます。

また、一部の都道府県では、会場での講習だけでなく、eラーニング型の講習会も実施されていますが、講習会の受講については一定の制限がされている場合もあります。(東京都の場合には年齢17歳以上であること、また、17歳以上であっても現役の高校生は受講できないことなど)。

なお、外国人の方については、日本語が理解でき、在留カードまたは特別永住者証明書を持っていることが条件となっています。

<講習の時間について>

講習の時間については、東京都の場合では、午前・午後それぞれ3時間、計6時間の講習が義務付けられています。なお、受講証は講習日当日に交付されます。

<営業の実務について>

複数の店舗で営業している場合には、各施設に食品衛生責任者1名を置かなければなりません。1人が複数店舗の食品衛生責任者を兼務することはできません。
ただし、食品衛生責任者の資格(調理師等の一定の代替資格を含む)を持っている方であれば、営業者以外の方でも食品衛生責任者になることができます。

<有効期限や他の都道府県の資格について>

食品衛生責任者の資格に有効期限はないため、一度取得すればOKです。
ただし、調理師等の資格で代用している場合には、その資格の有効期限が切れると食品衛生責任者の資格も失われてしまうため注意してください。

なお、他の道府県で取得した食品衛生責任者の資格は原則として他県でも通用しますが、例えば、一部の道府県のものについては6時間という受講時間数を満たしていないため東京都では通用しない場合があります。

詳しくは保健所、または資格を取得した道府県の食品衛生協会に確認して下さい。

営業許可について

「営業許可」とは?

飲食店の営業許可とは、飲食業を営業するときに必要となる許可で、営業開始前に保健所に申請して取得しておかなければなりません。現在、営業許可は32種類あり、行う営業内容に応じた許可を取得する必要がありますが、一般的な飲食店の営業をする場合には「飲食店営業許可」が必要となります。なお、以前は「喫茶店営業」と「飲食店営業」は別種類とされていましたが、令和3年6月1日からの新制度の施行により、この2つは「飲食店営業」に統合されました。ただし、これまで喫茶店営業で許可を取得していた方は、自動的に「飲食店営業」に更新されるわけではないため、あらめて「飲食店営業」で許可を取得する必要があります。

飲食業の許可申請の条件

「食品営業許可」を取得するためには、次の2つの条件を満たす必要があります。

① 食品衛生責任者の配置

各店舗には、食品衛生責任者またはこれに代わる資格を持った人を1人以上置かなければなりません。

② 施設基準の順守

飲食店は、各都道府県の条例で定められた店舗施設の基準(施設基準)に適合した店舗で営業しなければなりません。

施設基準には、内壁・天井・明るさ・衛生設備などといった細かい基準があるため、できるだけ保健所で事前確認を受けてチェックしてもらうようにしましょう。

「飲食店営業」営業許可の取得の流れ

「飲食店営業」営業許可を取るまでの手続きの流れは、次のとおりとなります。

① 事前相談

工事の着工前に図面等を所轄の保健所へ持参し、許可基準にあっているかを相談します。

なお、貯水槽(マンションやビルのタンク)や井戸水等を使用する場合は、水質検査証の提出が必要となります。

② 営業許可の申請(書類の提出)

店舗が完成する予定日の10日くらい前に必要書類と図面をつけて保健所へ許可の申請をします。

③ 施設検査の打合せ  

この時点で、あらかじめ、店舗の検査の日時を担当者と決めておくと、その後の手続きがスムーズとなります。

④ 施設の確認検査

施設が申請のとおりの配置・構造となっているか、基準に合っているかを保健所の担当者が確認します。 この時には、営業者が検査に立ち会う必要があります。

⑤ 営業許可書の交付

検査に合格した場合には「営業許可書交付予定日のお知らせ」が交付されます。
交付予定日になったら保健所で営業許可書※を受け取ります。  ※ 受領には印鑑が必要 

⑥  営業開始

許可証が交付されても、それだけでは営業はできません。
実際の営業をするためには、許可証を店内に掲示する必要があります。

申請の手数料

営業許可の申請手数料は、都道府県や営業の種類によって異なります。東京都の場合の手数料は、以下の通りとなっています。

新規 継 続
飲食店営業 18,300円 9,800円
飲食店営業(移動又は臨時) 5,600円 2,700円

その他の注意点

 営業許可の手続きには、通常、申請から施設の検査まで5~7日、検査~許可証の受領まで2~7日程度の時間がかかります。

◆ 既存店で営業許可を取得している場合でも、別の施設で新たに営業を行う場合は、その施設について新たに許可を取得する必要があります。

◆ 居抜き店舗で営業をする場合も、新たに営業許可を取得する必要があります。前のオーナーの取得した許可で営業することはできません。

◆ 営業の開始ができるのは、許可証の交付の時ではなく、「許可証を店内に掲示したとき」からとなりますので、提示をする前に営業を開始しないよう注意してください。

◆ 営業許可の有効期限は都道府県ごとに定められていますが、もっとも多いのは5~8年のいずれかとなっています。なお、有効期限については、従来は「2年をくだらない期間」とされていましたが、現在は改正により「4年をくだらない期間」とされました。

◆ 有効期限切れで営業をすると無許可営業として、「2年以下の懲役または200万円以下の罰金となります」。したがって、期限切れがないように普段からしっかりと確認をし、更新手続きを怠らないようにしましょう。

営業許可申請の必要書類について

営業許可証の申請には、以下の書類が必要となります。

〇 営業許可の申請書(1通)
〇 営業設備の大要・設備図(2通)

営業所を管轄する保健所のHP等から様式をダウロードして記入しますが、記載内容について詳細な内容(壁や床の材料・在示唆など)がわからないときは、工事業者に確認して記入してください。

「営業設備の配置図」は、設備の種類やその位置関係がわかるように作図します。
この図面は、手書きでも構いません。また、内装業者の工事図面で代用できる場合もあるので、詳しくは保健所に確認してください。なお、ここで記載する周辺の見取り図については、原則、グーグルマップなどの地図で代用することができます。

〇 登記事項証明書(1通:法人の場合のみ)

会社の登記の目的欄に、「飲食店の経営」や「飲食業」などが入っていることを確認してください。また、住所や役員などといった登記の項目に変更があるときには、その変更登記を済ませた上で提出します。

〇 水質検査証明書(1通:貯水槽、井戸水使用の場合のみ)

使用する水が貯水槽(マンションなど)、井戸水使用の場合に提出します。
通常、この書類は大家さんか保管しているものなので、申請の際には大家さんに依頼して発行してもらうようにしてください。

〇 食品衛生責任者の資格を証する資料(原本提示等)

申請の際には、「食品衛生責任者手帳」などの食品衛生責任者の資格を証明するものを提示します。

施設検査時の注意点とポイント

施設の検査では、お店の設備や配置が、食品衛生法の基準を満たしているかをチェックします。施設の検査の基準には、「共通基準」と「特定基準」の2つがあります。

① 共通基準

共通基準は、自動販売機以外のすべての業種に必要な施設の基準となります。
『営業施設の構造  場所・建物・区画・面積・床・内壁・天井・明るさ・換気・周囲の構造・ねずみ族、昆虫等の防除・洗浄設備・更衣室

食品取扱設備  器具等の整備・器具等の配置・保管設備・器具等の材質・運搬具・計器類・給水・汚物処理 給水設備・便所・汚物処理設備・清掃器具の格納設備』

② 特定基準

特定基準は、業種ごとに定められた施設の基準です。

飲食店営業については、冷蔵設備・洗浄設備・給湯設備・客席・客用便所の5つについて定められています。

検査の主な項目の注意点

施設の検査では、以下の点についてとくに注意する必要があります。

① 検査でみられる主な箇所とかかる時間

検査では、壁、天井、床といった店舗の構造や、戸棚、トイレ、手洗い器といった衛生設備を中心に検査がされます。また、検査時には電気と水道が実際に使用できるようになっていなければなりません。

検査の時間は、約1時間程度というのが一般的ですが、設備の内容や担当官によっては、それ以上の時間がかかることもあります。

また、設備の配置が、提出した配置図と同じになっているかどうかもポイントとなります。

② 厨房床が洗浄、清掃しやすいかどうか?

素材との関係もありますが、継ぎ目のある床などの場合には、衛生面での問題がないか注意が必要です。

③.汚れの取れやすい壁であるか?

壁については、油性塗料や耐水性塗料仕上げ、またはステンレス鋼板などであればとくに問題ありません。

④ 天井は作られているか?

天井は、清潔に保ちやすく、ホコリ等が落下してこないものであれば、原則OKです。

しかし、スケルトン天井(天井板がなく、鉄骨がむき出しになっている天井)の場合には、地域や担当によってNGというところもあるので、事前の確認が必要です。

⑤ 照明は全体を照らすものとなっているか?

バータイプの飲食店にありがちですが、スポットライトやダウンライトを使用している場合には、部分的に暗くなる箇所ができてしまいます。しかし、このような場合には照明の追加や変更などの指摘がされることがあるので注意してください。

⑥ 二槽式シンクがついているか?

設置するシンクは、食材と食器の洗浄を別々にできる二槽シンクである必要があります。

また、各シンクは、確認時にそれぞれについて水・お湯が出ることが必要です。

⑦ 手洗専用設備があるかどうか?

いわゆるL-5タイプといわれる手洗い器が一般的です。なお、配置場所については、メインの箇所にあればよいというケースと、水場のすべてに設置しなければならないケースがあるため、事前に保健所へ確認してください。

また、ガールズバーなどでは、女性が配置されている調理場部分のいずれにも、水の出る手洗い場を作る必要があります。

⑧ 厨房と客席の間間仕切りや扉

厨房と客席の間には、お客が内部に入れないように、腰高以上の間仕切りやスイングドアをつける必要があります。

⑨ 更衣室

更衣室は、厨房内にあるパターンだとNGとなるため、その場合には別の場所に確保するようにします。

⑩ その他

その他として「温度計付の冷蔵庫となっているか?」「食器収納棚は扉つきのものか?」「換気設備はあるか?」「消毒器は固定のものとなっているか?」などが検査の主なポイントとなります。

検査後の手続きと指摘がされた場合の対応

検査で設備の構造や設置について指摘がされた場合には、その改善ができるまで営業許可証は交付されません。

その場合の具体的な対応としては、修正後の写真を提出すればOKとなる場合と、再度、現場の検査が必要となる場合があるので、担当官の指示に従ってください。

深夜営業について

深夜営業とは?

「深夜営業」とは、「深夜(午前0時から午前6時)の間に、設備を設けて客に酒類を提供して営む飲食店営業(通常、主食と認められる食事を提供して営むものを除く)」のことをいいます。

この要件に該当する場合には、警察に「深夜における酒類提供飲食店営業の届出」を提出しなければなりません。しかし、深夜に営業する飲食店のすべてが「深夜営業」に該当するわけではないということに注意が必要です。

たとえば、深夜の時間帯であっても、「お客に酒類の提供をしない営業」であれば問題ありません。

また、2番目の要件における主食とはどういうものかといえば、それだけで食事になるものをいうと解されていますので、ラーメンやファミレスなどの「主食をメインで提供するお店の場合はお酒の提供をしていても、深夜営業の届出は不要」ということになります。

このように、深夜の時間帯に営業する飲食店のすべてがこの届出をしなければならないというわけではありませんが、具体的な判断はそのお店の業態やメニューにより変わりますので、判断に迷うときには所轄の警察署に確認することをおすすめします。

なお、この届出をせずに深夜営業をした場合は、50万円以下の罰金が科せられます。

深夜営業の出来る地域

深夜営業は、次の用途地域でのみ行うことができます。

  • 商業地域
  • 近隣商業地域
  • 工業地域
  • 準工業地域

この用途地域を間違えると、「店舗を借りたのに深夜営業ができない」ということになってしまうため、必ず事前に確認しておく必要があります。

ただし、一部地区については例外的に、商業地域の周囲30m以内の「住居地域」「準住居地域」で営業が可能となっている場合もあります。

用途地域の確認の方法には、「ネットの都市計画情報サービスで確認する」「区・市役所に問い合わせる」などの方法があります。なお、警察では事前に深夜営業が可能かどうかを教えてもらえないことが多いため、区・市役所の都市計画課などで確認することをおすすめします。

人的要件

風俗許可の場合には、一定の要件に該当する人は許可を取得できません(欠格要件)が、深夜営業の届出についてはそのような人的欠格要件の定めはないため、誰でも申請することができます。

ただし、深夜営業の届出は、営業許可の取得が前提となっているため、営業許可が取得できない方は、深夜営業もできないということに気をつけてください。

営業所の設備要件

深夜営業の届出をするためには、次のような営業所の要件を満たす必要があります。

<営業所の設備要件>

◎ 客室の床面積が9.5㎡以上であること(客室が1室の場合は制限なし)
◎ 客室に見通しを妨げる設備(概ね1m以上)がないこと
◎ ショーを見せるなど、深夜において客に遊興させないこと
◎ 営業所内の照度を20ルクス以下としないこと
◎ 騒音または振動を条例で定める数値以下とすること

深夜営業をする飲食店の客室の床面積は、9.5㎡以上でなければなりません。客室が一室しかないような場合には9.5㎡未満であっても構いませんが、その場合はハーティションなどで客室をわけて使用することはできません。

客室に見通しを妨げる設備としては、1mを超える椅子の背もたれ、パーティション、棚(壁際に設置されたもの除く)、観葉植物などがあげられます。

この場合の「客室の見通し」については、客室のどこか1点に立った時に客室全体を見通せことが必要とされています。したがって、客室のA点に立った時は全体が見渡せても、B点に立った時に1m を超える障害物がある場合にはダメということになります。

また、もしこのような1mを超える障害物がある場合には、その障害物を撤去するか、もしくはその場所から客室を分けなければなりません。

したがって、もし、内装工事の完了後にそのような設備がある場合には、工事の追加ややり直しとなる可能性があるため、この点についても事前に警察に確認しておきましょう。

深夜営業での禁止行為

深夜営業では、次のような行為は禁止されています。

<深夜営業の禁止行為>

〇 18歳未満の者を午後10時から翌日の日出時までの間において接客させること。
〇 18歳未満の者を客として立ち入らせること。(保護者同伴の場合を除く)
〇 20歳未満の者に酒類やたばこを提供すること。
〇 深夜において客引きすること。

風俗営業との関係について

飲食店の営業をするうえでよく問題となるのが、「接待行為」です。
女性スタッフによる接客が「接待行為」に該当する場合には、風俗営業の許可(「1号」許可)を取得する必要がありますが、風俗営業許可を取得した場合には深夜営業ができなくなることに注意が必要です。

なお、この許可なしで接待行為を行った場合には、警察の指導が入ったり、営業停止処分が下されることもあります。

「接待行為」とは「特定少数の客の近くにはべり、継続して、談笑の相手となったり、酒等の飲食物を提供したりする行為」とされ、具体的には次のような行為はすべて接待行為とされます。

<接待行為の例>
◆ カウンターを超えてお客に同席する
◆ 特定のお客と長時間にわたって歓談する
◆ 特定の客やグループに歌やダンス、ショウを披露する。
◆ カラオケを勧めたり、歌の最中に手拍子をとったり、ほめはやす、デュエットをする

これに対して「不特定のお客と談笑する」、「手拍子や酒の準備をする」、「カラオケのセッティングをする」などの行為は接待に当たらないものとされています。
ただし、「特定のお客と長時間にわたって歓談する」行為は、カウンター越しでも、程度によっては接待行為となることがあるため注意してください。

深夜営業の届出に必要な書類

「深夜における酒類提供飲食店営業の届出」をするときには、以下の書類を提出します。

◎ 営業開始届出書(様式47号)
◎ 営業の方法(様式48号)
※ 参考:様式
◎ メニューの写し
◎ 営業所平面図、営業所面積求積図、客室面積求積図、音響照明設備配置図  ※1
◎ 申請者の住民票(本籍地必要)、外国人の場合は在留カードの写し
◎ 飲食店営業許可証の写し<申請者が法人の場合-追加>
◎ 法人登記簿謄本(登記全部事項証明書)
◎ 法人の定款の写し(原本認証が必要) ※2
◎ 役員全員分の住民票(本籍地必要)、外国人の場合は在留カードの写し

※1 警察によっては、次のような資料の提出も求められることがあります。

● 営業所からの地域略図(半径200ḿ)
● 建物入店状況図
● 賃貸借契約書の写し
● 建物の大家からの使用承諾書
※2   原本認証とは、定款のコピーの裏面に「この定款は原本に相違ない」と記載して法人の署名・捺印をしたものをいいます。

この届出には保健所の営業許可のコピーの添付が必要なため、手続きは「営業許可」→「深夜営業の届出」の順番で行う必要があります。

なお、「深夜営業の届出」で、最もハードルが高いのが図面の作成です。

この届出には、最低でも「営業所平面図」「営業所面積求積図」「客室面積求積図」「音響照明設備配置図」の図面を添付する必要がありますが、これらは専門的な測量をした上で、特別なルールにもとづき図面を作成する必要があります。

そのため、この図面作成に関する知識や経験のない方がこれを作成するのは困難です。

したがって、はじめて申請を行う方は、行政書士などの専門家のサポートを受けて行うことをおすすめします。

生活衛生営業での知事推薦書について

生活衛生関係営業とは?

許認可や届出とは関係ありませんが、飲食店を含む生活衛生業を行う方が日本政策金融公庫で500万円を超える融資の申込みをする場合には、知事の推薦書を取得して、添付する必要があります。

ただし、これは日本政策金融公庫だけの要件なので、信用保証協会付融資(制度融資)や、銀行等のプロパー融資を利用する場合には必要ありません。

生活衛生関係営業とは、厚生労働省が所管する法律「生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律」で規定する飲食業、理・美容業などの総称をいいます。

飲食業の関係では、以下の業種がこれに該当します。

  1. す し
  2. 麺類店(そば・うどん)
  3. 中華料理店
  4. スナック
  5. 料理店
  6. 喫茶店その他の飲食店(食堂・レストランなど)

他にサービス業では、理・美容店、興業所(映画館)、クリーニング店、公衆浴場(銭湯)、ホテル・旅館、簡易宿泊所、下宿営業などが、販売業では、食肉販売店、食鳥肉販売店、氷雪販売業(氷屋)がこれに該当します。

「知事の推薦書」を取得しなければならないケース

以下の条件を満たす場合には、知事推薦書を取得する必要があります。

<知事推薦書が必要となる条件>

◆ 日本政策金融公庫で生活衛生貸付の融資の申込みをすること

◆ 500万円をこえる融資の申込みであること

知事の推薦書は、日本政策金融公庫ではなく、「生活衛生営業指導センター」で発行してもらいます。

「生活衛生営業指導センター」とは、生活衛生関係営業(17業種)の経営の健全化及び振興を通じてその衛生水準の維持向上を図ることを目的とした公益法人で、都道府県ごとに設立されています。

知事推薦取得のための必要書類

知事推薦書を取得するためには、以下の書類が必要となります。

  1. 推薦書交付願
  2. 借入れ申込書
  3. 営業許可書 ※1
  4. 不動産契約書
  5. 見積書
  6. 平面図
  7. 創業計画書
  8. 法人登記簿 ※2

※1 新規開業の場合は不要。既存店の場合のみ必要となります。
※2 法人の場合のみ必要

知事推薦書の取得から融資申込までの手続きの流れ

知事推薦書の取得から融資申込までの手続きの流れは、以下の通りとなります。

①  「推薦書交付願いの提出」【生活衛生営業指導センター】
② 知事推薦書の発行【生活衛生営業指導センター】
③ 融資の申込み【日本政策金融公庫】
④ 融資内容についての面談と現地調査
⑤  融資見込額についての連絡
⑥  融資の決定・実行【日本政策金融公庫】

知事推薦書自体の交付日数は、申請書の記載内容や書類がきちんと整っていれば、通常、当日~翌日程度となります。

しかし、「推薦書の交付」=「融資の決定」ではないということに注意が必要です。
センターによる推薦書の交付は、あくまでもセンターが行う事務手続きの一つであって、その後の融資とは関係はありません。したがって、推薦書が交付されても、融資が受けられないこともあります。

まとめ

飲食店の営業をする場合には、最低でも「保健所の営業許可」・「食品衛生責任者の資格」が必要となりますが、それ以外にも深夜営業をする場合には警察への「深夜営業の届出」をする必要があります。

なお、深夜営業の届出は、一般的な届出のように提出すればよいというものではなく、内容に不備がある場合には、届出そのものを受け付けてもらえません。

また、日本政策金融公庫で500万円を超える融資を申し込む場合には、「知事推薦書」も必要となります。

これらはいずれも事前に手続きをしておかないと営業や融資申込ができなくなってしまうので、オープンに間に合うようしっかりと準備してください。

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