「経営計画書を作った方がいいのは分かっている。でも、どう書けばいいのか分からない…」
そんな悩みを抱える中小企業の経営者の方は少なくありません。
実際、経営計画書は経営の舵取りをするうえで欠かせないツールですが、ゼロから作成するには「構成」「記入例」「活用方法」など、多くの疑問が出てくるのが普通です。
この記事では、
- 経営計画書の基本構成と考え方
- 作り方の手順や書き方のポイント
- すぐに使える無料テンプレート(ダウンロード可)
- 実行・浸透・活用のノウハウ
- 採用・金融機関からの評価にもつながるメリット
まで、経営計画書に関する内容を網羅的かつ実践的に解説しています。
これから作成を検討している方はもちろん、すでに作っているけれど「うまく活用できていない」という方も、ぜひ参考にしてください。
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経営計画書とは?
経営計画書とは、企業の方針、目標、数値計画、行動計画を1つにまとめた「経営の設計図」です。 経営者の考えや方針を明確に言語化し、それを社内で共有することで、社員一人ひとりの意識と行動を一致させ、組織全体を同じ方向へと導く役割を果たします。 スポーツにおける「ルール(方針)」「スコアボード(数字)」「スケジュール(計画)」に例えられるように、この計画書は、単に「何を目指すのか」だけでなく、「なぜそれを目指すのか」「どうやってそこに到達するのか」「誰がいつまでに何をするのか」までを具体的に示すことが求められます。これにより、曖昧な指示や思いつきの経営から脱し、明確な指針に基づいた行動が可能になります。経営計画書を作成している企業の80%以上が黒字

多くの中小企業で「経営計画書はなくてもなんとかなる」という空気感が根強く残っています。
国税庁の2015年度の調査によると全国の中小企業のうち黒字企業は32.1%しかありません。一方で、経営計画書を作成している企業の80%以上が黒字とされています。経営計画書を作成することで黒字になる確率は大幅に高まります。
企業が目指すゴールとそこに至る道筋を、経営計画書によって見える化することで、再現性ある経営への第一歩となります。
経営計画書の基本構成と役割
経営計画書の基本構成は、1年単位で実行する短期計画と、5年先の理想の姿を描く長期事業構想の2つです。短期計画では、売上・利益・費用などの具体的な数値目標とそれに紐づく行動計画を設定し、日々の業務の中で実践していきます。長期事業構想では、経営者の理念や志をもとに「5年後にどうありたいか」「どんな会社でありたいか」という将来像を描き、その方向性に基づき意思決定を行います。
社内では「共通の価値観」と「行動の指針」を浸透させるための道具であり、社外では金融機関からの信頼を高め、資金調達をしやすくする強力な武器となります。また、採用活動においても、未来像が明確な会社として評価が高まります。
さらに、経営計画書は一度つくって終わるものではなく、毎年振り返りと見直しを行うことで、時代の変化や市場の動きに柔軟に対応できる“生きた道具”になります。こうした実践と改善の繰り返しを通じて、社員の成長と会社の業績向上が同時に実現され、潰れない強い会社が育っていきます。
経営計画書は、未来を描くだけの紙ではなく、未来を実現するための行動計画そのものです。経営者の覚悟と社員の実行力を一つに束ね、組織の力を最大化するための最も実践的な経営のための道具です。

経営計画書の役割は「社長の決断」をカタチに残すこと
経営において最も重要なのは、社長の意思決定です。ただ、どんなに良い決断でも「口頭だけ」では社員に伝わらず、社内で形骸化するリスクがあります。
経営計画書は、“見える意思決定”を全社で共有する仕組みです。言葉だけでなく、数字と方針で構造化することで、組織全体が迷わず動ける環境を作れます。
経営計画書の本質は「作ること」ではなく「使い続けること」。経営計画書は単なる資料ではなく、会社の意思決定の仕方を変える仕組みです。
- 勘と経験に頼る経営から、数字と戦略に基づく経営へ
- 場当たり的な指示から、共有された目標に基づく行動へ
これらを実現するために、「書くこと」に踏み出すことが、社長の最初の責任であり、未来の成長を決定づける行動になります。
何から始めればよいかわからない場合でも、まずはペラペラでOK。大切なのは、「経営を言語化し、継続的に見直す習慣」を持つことです。
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経営計画書の作り方と構成要素
経営計画書は、次の3要素で構成されます。
数字 | 売上や利益など、現状を把握し将来の目標を逆算して立てるための具体的な数値 |
方針 | 数字に基づく行動の方向性(どのような姿勢・戦略で臨むか) |
計画 | 目標を実現するために「誰が・いつ・何をするか」を具体化した行動プラン |
この3つが一体化して初めて「実行できる経営計画書」になります。数字がなければ改善できず、方針がなければ判断できず、計画がなければ動けません。
なぜ「構造」が大事なのか?
計画書の構成は、そのまま会社の思考のフレームワークです。
たとえば、目標はあるけれど行動計画がなければ、動き出せません。
逆に、方針は立派でも、数値がなければ評価も改善もできません。
この三位一体のバランスが崩れると、経営計画書は「読まれない」「使われない」「機能しない」状態になります。
構成そのものが「考える順序」であり、「動かす仕組み」でもあるのです。
経営計画書の作成手順
ここでは、ゼロから経営計画書を作成するための基本ステップを、経営初心者でも実行しやすい形で紹介します。

ステップ1:数字(現状把握と目標設定)
1. 損益の現状を把握:
決算書をもとに、現状の損益や構造を可視化します。
2. 来期の数値目標を決める:
経常利益から逆算して、売上・粗利益・経費・人員などを設計します。
3. 5カ年の長期事業構想をつくる:
「5年で売上2倍」を目標に、営業利益、粗利益率、原価、人件費などの数値計画を立てます。
4. 「どの事業で稼ぐか」を明確にする:
現業の限界を見据え、新規事業や新商品への投資判断を組み込むことが重要です。
ステップ2:方針(数字に基づいた方向性の言語化)
1. 方針は数字の差分から導き出す:
現状と目標のギャップが「何をすべきか(方針)」になります。
2. 方針は社長の姿勢を表す:
社員への心得ではなく、社長としての「判断軸」として言語化します。
3. 項目別に作成する:
例:経営方針、商品方針、販売方針、採用方針、資金運用方針など。
ステップ3:スケジュール(実行計画への落とし込み)
1. 年次スケジュールを設計:
環境整備点検、クレーム対応、銀行訪問など、業務ごとの予定を可視化。
2. 担当者を明確にする:
誰が、いつ、何を行うかを割り当て、責任の所在を明確にします。
ステップ4:定着(経営の道具として使いこなす)
1. 日常の中で経営計画書を使う:
朝礼・会議で理念や方針の唱和、議論の基礎資料として活用。
2. 教育・共有を徹底する:
勉強会を開催し、方針を言語として浸透させます。
3. 採用活動にも活用:
会社の価値観を明確に示し、ミスマッチを減らす効果もあります。
ステップ5:定期的に振り返り、改善する(PDCA)
経営計画は「立てたら終わり」ではなく、常にアップデートされるべき生きた文書です。毎月の進捗確認や半期ごとの見直しを通じて、柔軟に改善していきましょう。
経営計画書の主要構成要素一覧
実際に経営計画書を作成する際は、次のような構成でまとめるのが一般的です。
- 経営理念・ビジョン
- 短期目標
- 長期目標(5ヵ年事業計画)
- 長期事業構想
- 各種方針
- 事業年度計画
これらを1冊にまとめることで、経営者自身の頭の中が整理され、社内共有や実行のスピードが飛躍的に向上します。
1. 経営理念・ビジョン
- なぜこの会社が存在するのか(理念)
- 将来どうなっていたいか(ビジョン)
- 社員・顧客・社会への価値提供の方針
2. 短期目標
来期の数値目標を立て、粗利率・労働分配率・販促費・経費などの整合性を確認します。
3. 長期目標(5ヵ年事業計画)
5ヵ年の数値目標を設定し、短期目標との連動を確認します。
4. 長期事業構想書
5ヵ年目標を元に、未来の事業・利益・要員・設備・資金計画を社長の想いとして文書化します。
5. 各種方針
短期目標達成のために、お客様対応・商品設計・人事評価などを具体的に方針化します。
6. 事業年度計画
方針をもとに、「いつ・誰が・何を」行うかのスケジュールを設定します。
経営計画書は「型」があると、一気に作りやすくなる
ゼロから経営計画書をつくるのは難しいですが、テンプレートを活用すれば作成のハードルは大きく下がります。

経営計画書テンプレートの基本構成(ダウンロード可能)
項目 | 内容例 |
---|---|
経営理念・企業の精神 | 経営理念、行動指針 |
長期事業構想 | 5年後の売上・利益目標、事業別戦略、成長戦略、要員・資金計画 |
短期計画(年度経営目標) | 売上、粗利益、営業利益、労働分配率、経常利益などのKPI |
部門別方針 | 営業・製造・物流・商品・品質・クレーム対応などの具体的方針 |
人材・組織に関する方針 | 採用方針、評価制度、昇格・昇給ルール、福利厚生、退職ルール |
財務・会計・リスク管理 | 資金運用、決算方針、災害対策、個人情報保護、倫理方針 |
年間スケジュール | 勉強会、評価面談、経営発表会などの年次計画表 |
テンプレート活用のコツ
- 完成にこだわらず、社長の頭の中をまず「見える化」する用途でOK
- まずは無料セミナーで実際に作成をしてみる
テンプレートは「実行される計画書」への近道
- 初めてでも、まずは項目を埋めていくだけで全体像が見える
- 自社に合わせた記述が可能
- 継続的にアップデートしながら完成度を高めていくことができる
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経営計画書作成のコツ
ポイント | 解説 |
---|---|
完璧を目指さない | 最初は「7割主義」でOK。まずは形にすることが大事 |
薄くてペラペラの経営計画書を作成する | 情報を詰めすぎず、シンプルに |
必ず「数字」と「行動計画」をセットにする | 目標だけでは人は動かない |
常に持ち歩ける手帳サイズにする | 日常的に活用する |
経営計画書の作成は、「未来を予測して言語化する力」と「行動に落とし込む設計力」の融合です。
- 今の延長線で考えず、未来から逆算する
- 言葉だけで終わらせず、具体的な行動計画まで落とし込む
このプロセスこそが、経営を“直感”から“構造”へ変える転換点になります。
経営計画書は「実行されてこそ価値がある」
いくら立派な経営計画書をつくっても、実行されなければ意味はありません。
作成の段階から、「見やすさ」「共有しやすさ」「使いやすさ」を意識することが、浸透と実行のカギになります。
このセクションでは、経営計画書を実際に機能させるための作成上のポイントと、ありがちな失敗例の回避策を解説します。
ポイント1:最初は“完璧さ”を求めず、まずは書き出す
- 経営計画書に「正解」はありません。最初から100点を目指すより、まず形にすることが重要です。
- A4一枚に「会社の課題」「目標」「行動方針」をざっくり書き出すだけでも、社内の行動が変わり始めます。
- 完成度は毎年の更新で高めていけばOKです。
ポイント2:数字と行動計画は“セット”で記載する
- 「売上1億円を目指す」と書くだけでは意味がありません。
- それをいつまでに、誰が、どのように達成するのかまで落とし込むことで、社員の行動が具体化します。
ポイント3:常に持ち歩ける“実務の道具”にする
- 「棚にしまいっぱなし」「年度初めに読んで終わり」では意味がありません。
- 手帳サイズやポケットファイルで持ち運べる形式にしたり、スマホで見られるクラウド管理にすることで、日常的に活用される経営計画書になります。
経営計画書作成時のよくある失敗事例とその対策
落とし穴 | 具体的な原因 | 回避策(実践的ヒント) |
抽象的すぎる計画 | スローガンのみで具体的な行動・数値目標がない。 | 6W2Hを意識し、タスクレベルまで具体化する。MVVを日々の意思決定の基準とする。 |
数値と行動の不整合 | 言葉の計画と数値計画に矛盾がある。 | 数値計画の整合性を徹底する。各計画(売上、経費、投資)の連動性を確認する。 |
自己満足な計画 | 経営者単独で作成し、従業員の意見が反映されない。 | 計画策定に従業員を巻き込む。経営計画発表会で共有し、フィードバックを募る。 |
過信による軌道修正の怠り | 「自分ならできる」という過信で、問題点を見過ごす。 | 定期的な振り返りの場を設け、客観的に現状を評価する。計画は「ズレるから良い」という認識を持つ。 |
準備の過不足 | 準備不足で実行できない、または準備しすぎて機会を逸する。 | 計画段階で現実的なリソースと時間軸を設定する。PDCAサイクルで迅速に調整する。 |
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企業の成長を支える重要なツールである「経営計画書」。その作成はもちろん、完成した計画書を美しく、しっかりとした製本で仕上げることも、ビジネスの信頼性を高める大切なステップです。
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特徴:
専門的なサポート:経営計画書作成の経験豊富なスタッフが、お客様のビジョンを形にします。
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