資金調達のための履歴書作成と個人財務諸表 ここでは、事業計画書の重要な2つの草案を作成していきます。特別なビジネス実績の履歴書:事業を開始または拡大するために必要な能力に焦点をあてたもの個人の財務諸表:自分が持っているものの価値を詳細に説明したものあなたのビジネスアイデアが利益を生むかどうか、あるいは改善やブラッシュアップが必要なのかを見極めるためにも、財務予測を慎重に作成し、その結果に注意を払うことが特に重要です。 ビジネス実績の履歴書を作成する 投資家や金融機関は、あなたが事業を成功させるための経験、教育、そして意欲を持っていることを確信したいと考えています。この履歴書は、あなたが目標を達成できる人間であることを示すために作成します。これは、過去の仕事を何年または何か月担当したかを単に列挙するような職務経歴書ではありません。正確には、あなたのビジネス目標に直接関係する、あなたが達成したすべてのことを記述するのです。あなたはこれまで事業を所有したり、拡大したりしたことはないかもしれません。しかし、事業の立ち上げに取りかからなければいけない課題にも似た、困難な課題を達成しているはずです。ですが、よい経歴だけで、最初にアプローチした人から融資を受けられると思ってはいけません。結局、あなたという人間に好感が持てなければ、お金を出してくれる人は少ないのです。あなたの行動としてまずは、支援者に対し、ビジネスパーソンとしてのあなたを信頼してもらい好きになってもらうことが大切です。 では、上記を踏まえて履歴書にはどんな内容を記載すればよいか具体例を挙げながら見ていきましょう。 履歴書に記載する内容 これまでの失敗経験 多くの人がそうであるように、あなたの輝かしい実績には、過去の失敗や挫折がつきものです。あなたの支援者も含めて、誰もが失敗を犯します。履歴書には正直に書くべきですが、書きすぎてはいけません。例えば、中学1年生のときに数学の授業をさぼったことなど、これまでに犯したすべての罪を列挙する必要はありません。ビジネスプランに関連する場合のみ、失敗の詳細を記載しましょう。例えば、3年間事業を営み、最終的に倒産した場合は、その旨を記載する必要があるでしょう。投資家や金融機関の担当者には、履歴書に記載した内容をすべて説明できるようにしておきましょう。金融機関との信頼関係を築くためには、すべての情報を開示した上でコミュニケーションをとることが一番です。最悪なのは、ネガティブなことに嘘をついたり、それを隠そうとすることです。 成果や経験について さて、ここからは重要でポジティブな情報を扱っていきましょう。自分が事業を運営する資格があることをどうやってアピールすればよいのでしょうか。何事にも言えることですが、投資家に興味を持ってもらえるような履歴書の書き方にはコツがあります。まず、ボランティアや個人的な活動を含め、あらゆる組織での実績や経験をリストアップします。これは通常の履歴書ではないので、雇用年月日は任意です。このリストは、過去の履歴書を切り貼りして作成することもできますし、一から作り直すこともできます。また、趣味や家族構成などの個人情報を書いても構いません。資金提供者は、あなたの人間性を知りたがっています。人としてのあなたを知りたいのです。各組織の下に、営業、管理、配送、信用など、あなたが働いたビジネス分野を記入します。そして、その責任を果たすために、その組織のために成し遂げたことを具体的に書き出します。この情報は、あなたの提案をサポートする可能性が最も高い実績を選択するために使用されます。ここで、謙遜する必要はありません。新規事業を立ち上げるのは、おとなしい人がやることではありません。あなたは雇用主のために、配送ルートを再設計してコストを削減したかもしれません。また、より良いカヌーを設計したり、トルティーヤチップスの売り上げを伸ばすための新しいマーケティング戦略を考えたかもしれません。また、コンピュータシステムの効率を上げる方法を考えたり、ブラウニーをより美味しくするためにレシピを見直したりした人もいるでしょう。 業績とビジネス能力との関連 最初の業績リストが完成したら、あなたの具体的な業績がビジネスを運営する能力にどのように関連しているかを示す文章を書いてください。ビジネスの仕組みに関する知識や、経済的な現実に対する知識と敬意を強調しましょう。プロセスと目的を理解した上で、ビジネス実績履歴書の第一稿を書きましょう。履歴書を作成します。正しい見解を得るためには、何度か書き直す必要があるかもしれません。あなたの経験にもよりますが、履歴書の長さはおそらく1ページから3ページの間になるでしょう。誰かに原稿を読んでもらい、自分がその仕事に適した人材であることを読み手に納得させられるようにしましょう。ビジネスの実情をよく理解していることを示す必要があります。 つづいて、資金調達を成功させるために、収益、コスト、損益分析について注意深く観察していきます。 個人の財務諸表の作成 個人の財務諸表とは、あなた個人の財政状態をはっきりと示してくれるものです。あなたの資産(あなたが所有するもの)、負債(あなたが借りているもの)、収入、支出などを記載します。 そもそも財務諸表とは 財務諸表とは、1年間の会社の財務状況や業務成績を表したものです。 会社の儲けを表す損益計算書 P/L、財産と借金について書かれた貸借対照表 B/S、現金の流れについて書かれたキャッシュフロー計算書 C/Sの3つを示すことが多いです。 参考:決算書の簡単な読み方について!金融機関の決算書を見る際のポイントについて解説! 個人の財務諸表には、個人の資産、負債、収入、支出などを記載します。この書類は、あなたがお金を支払う能力があるのかどうか支援者に伝えるものです。財務状況が悪くても落胆する必要はありません。支援者はあなたの良いところも悪いところも知りたいと思っていますし、あなたがお金を必要としていることも理解しています。財務諸表作成の作業は難しいものではありませんが、細部にまで気を配る必要があります。既存の事業をすでに所有しているか、または既存の事業に関心を持っている場合は、事業の純資産または貸借対照表の別の明細書と損益計算書を含めることをお勧めします。事業の全部または一部を所有していて、その事業について個別の明細書を提出する予定がない場合は、この個人財務諸表に事業のシェアを含めてください。 個人の財務諸表に記載する内容 資産の把握 最初に行うことは、あなたが所有しているすべてのものを簡単に説明し、現在の市場価値を見積もることです(お金を借りている場合も含む)。特定のアイテムの価値がわからない場合は、見積もりを出して、確認してみてください。市場価値とは、その品物を今日売ることができる価格のことです。注意点として、資産と収入は別に考えます。資産とは、車や家など、お金になるものや売ることができるもののことです。収入とは、給料のように定期的に受け取るお金のことです。資産の中には、定期的に収入が得られるものがあります。例えば、配当金が支払われる株式や債券、特許権の使用料契約、所有する約束手形などです。ここでは資産のみを記載し、収入については後で記載します。現金および現金同等物市場性のある有価証券生命保険のキャッシュバリュー売掛金および受取手形信託証書と抵当権不動産個人資産その他の資産総資産 負債の把握 個人の財務諸表では、「負債と純資産」では、自分が他人から借りているものをすべて書き出します。ここに記載される情報は、かなりの程度、先ほどの資産との裏返しになります。例えば、家を資産として計上していた場合、その家の住宅ローンを負債として計上することになります。クレジットカード・リボ払いの口座無担保ローン不動産担保付融資動産担保付融資生命保険契約に対する貸付金その他の負債負債合計整合性を確認してください。次に進む前に、資産リストと負債リストの情報を注意深く比較してください。一貫性があるかどうかを確認します。例えば、資産としてあげたものに負債はないか、その逆も同様です。 純資産の把握 純資産とは、資産総額から負債総額を差し引いて残ったものです。自己資産ともいいます。自分の純資産を計算するために、いまリストアップした資産合計(総資産)から負債合計を単純に引きます。 資産合計-負債合計=純資産 負債が資産を上回っている場合は、純資産はマイナスになります。純資産がマイナスの場合、お金を借りるのは難しくなるので、別の資金調達方法を検討しなければいけません。資金調達の方法については、こちらをご覧ください。関連記事:中小企業が本当に利用しやすい9つの資金調達方法 年収の把握 続いて、あなたのすべての収入源からの収入を書き出していきます。この数字は、各収入源の年間合計を示していますので、先に記載した「資産の把握」のセクションと混同しないようにしてください。ただし、この欄に資産からの収入を記載する場合は、その資産を「資産」欄にも記載されているか確認してください。このフォームは、あなたの現在の状況を反映し、新しいビジネスを始めるために仕事を辞める場合でも、現在の給料を表示する必要があります。給与・賃金総額売掛金および貸付金返済による収入賃貸物件収入配当金および利息ビジネスまたはプロフェッションからの収入その他の収入合計 年収 年間生活費の把握 このフォームの目的は、あなたの生活にかかる費用を正確に見積もることです。食費、光熱費、養育費、医療費、交通費、娯楽費、旅費などは生活費に含めてますが、項目を分けても大丈夫です。また、事業の経費は、事業のための独立した損益計算書(P/L)でカバーする必要があります。ここでは、普段の生活にかかる費用のみ考えます。不動産ローンの支払いまたは家賃固定資産税と評価額所得税その他のローンの支払い保険料生活費その他の費用年間支出合計 個人の財務諸表の完成 このようにして個人の財務諸表を作成いたしました。最後に、財務諸表の正確性をチェックしてください。融資担当者は、あなたの財務諸表を確認したいと思うでしょう。通常、過去2、3年分の納税申告書があれば、収入と支出の裏付けとして十分です。もし、実際の収入が納税申告書よりも多少多い場合は、他の方法で資産を確認する準備をしておきましょう。しかし、よほどのことがない限り、このような格差はあまり気にしなくてもよいでしょう。過剰課税の時代には、申告された収入よりも実際の収入が多少多くても、貸し手は驚きません。融資担当者も同じでしょう。 まとめ 個人の財務諸表をつくることで、自分の財政状況を整理し、金融機関にあなたの資金繰り能力の有無について確認してもらいます。次には、どれくらい資金が必要か予測していく必要があるので、損益計算の予測(収支計画書)とキャッシュフロー予測の作成に進むとよいでしょう。 株式会社MOTOMURAでは経営計画書作成のお手伝いをさせて頂いております。 ぜひ、経営計画書作成1DAYスクールにご参加下さい! 1DAYスクールはこんな方におすすめ! お申し込みはこちらから 【開催日時】 10/7 (火) 10:00-12:00【限定5名】 10/23 (木) 10:00-12:00【限定5名】 11/13 (木) 10:00-12:00【限定5名】 11/19 (水) 10:00-12:00【限定5名】 11/26 (水) 10:00-12:00【限定5名】 12/3 (水) 10:00-12:00【限定5名】
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