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資金繰り表の作り方!その基本や活かし方をわかりやすく解説

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目次

皆さんは、普段の経営をする上で資金繰り表を作成しているでしょうか?

最近の中小企業経営者・個人事業主を対象とした調査では月次経費を完全に把握できている経営者はわずか3割という結果が出ています。

  • 経営者自身が収支管理を苦手としている。
  • 資金繰りがきちんとできていない。

実は、中小企業にとって大きな課題として、上記のお悩みを抱えている経営者は多いことがわかります。

見えた中小経営者の課題 月次経費を完全に把握しているのはわずか30%
経営者の業務負荷軽減に関するアンケート調査 - 株式会社SoLabo

資金繰り表は、キャッシュベースでの資金の過不足を予測できるため、確実な経営をするために欠かせないツールといえます。しかし中には、

「どうやって作ったらいいかわからない?」

「活用の仕方がわからない」

という方も少なくないと思います。

そこで、この記事では資金繰り表の基本的な作り方から、実際の経営での活かし方についてわかりやすく解説いたします。

会社経営に重要な書類、 資金繰り表とは?

資金繰り表とは、科目ごとに一定期間の現金の出入りの集計や予測をしたものです。

これにより、「どのように現金が動いたのか?」という過去の経緯や、「いつ、どの程度の現金が必要となるのか?」といった将来の動きを予測することができます。

また、資金繰り表を作成することで、資金不足となるタイミングを把握して対策を立てることが可能となります。

とくに、銀行から借入れをする際に提出を求められることが多いため、単に作成するだけでなく、その内容を経営者自身が理解しておく必要があります。

資金繰り表作成のメリット

資金繰り表を作成することで、次のようなメリットが得られます。

1.将来の収支を予測できる

資金繰り表は、将来の収支の管理に役立ちます。

資金繰りを予想することで資金ショートが起こるタイミングを把握できるため、それに向けて売掛金の現金化や銀行からの融資などといった資金調達の対策がしやすくなります。

2.資金繰りや経営の分析に役立つ

資金繰り表を分析することで、資金繰りや経営悪化の原因を特定することができます。

資金繰りの悪化は一つの要因だけでなく、複数の原因によって引き起こされていることもありますが、いずれにして根本的な原因を発見しなければ解決が難しい場合が少なくありません。

しかし、資金繰り表の内容を分析し、原因を特定することで、早期に具体的な改善策を立てることが可能となります。

3.経営者の資金管理力の向上に役立つ

通常の会社では、経営者が経理や資金管理を担当者にまかせているケースが少なくありませんが、これでは普段どのように資金が動いているのかがわからず、いざというときにも有効な対策を打つことが難しくなってしまいます。

けれど、経営者自らが資金繰り表の作成やその内容を理解することで、在庫管理の改善や売掛金の回収などにつき、より効果的な指示ができようになるとともに、経営者本人の資金管理力の向上が期待できます。

キャッシュフロー計算書との違い

資金繰り表とキャッシュフロー計算書とでは、その役割に違いがあります。

キャッシュフロー計算書」は「貸借対照表」と「損益計算書」のデータにもとづいて作成するものです。そのため、過去の現金の流れや結果を知ることはできますが、将来的な資金繰りには、直接、役立ちません。

一方、資金繰り表は、直近での現金の動きを記録するだけでなく、将来における現金の収支の予測に役立ちます。

そのため、あらかじめ状況に応じた対策ができ、利益は出ているのに支払いができないといった黒字倒産の予防や、支払代金の不足といった事態をなくすことができます。

資金繰り表の2つのタイプ

資金繰り表には、大きくわけて「実績資金繰り表」「予定資金繰り表」の2つがあります。

これらは、それぞれ目的が異なるため、用途にあわせて使い分けるか、もしくは同時に作成することをおすすめします。

実績資金繰り表

「実績資金繰り表」とは、現金の動きをそのまま記録したものであり、過去の現金の動きをあらわすものです。いわば、小遣い帳の会社版ともいえます。

記載の方法としては、たとえば、売掛金の入金や買掛金の支払いがあった場合には、その事実を忠実に記載していきます。

こうすることにより、これまで現金がどのような原因で、どれだけの額が動いていたかという過去の動きがわかるとともに、今後の資金繰りのベースとすることができます。

予定資金繰り表

一方、「予定資金繰り表」とは、将来の会社の資金の出入りを予測して作成するものです。

具体的には、これまでの現金の動きを元として、今後に見込まれる入金や支出を予測し、そのうえで現金の過不足がないように計画を立てます。一般的に、資金繰り表といった場合にはこちらを指すことが多く、銀行などから求められるのもこちらのものとなります。

予定資金繰り表を作ることで、将来的な収支の予測ができるので、必要に応じて融資の申込みや支払いの延期のお願いなどといった、効果的な対策を機動的に立てることができるようになります。

実績資金繰り表と予定資金繰り表の両方を作成すべき理由

通常、資金繰りをする時には、「実績資金繰り表」と「予定資金繰り表」の両方を作成します。

なぜなら、こうすることにより、現金の過去の動きと将来的な過不足を同時に把握できるからです。

もし、実績資金繰り表しか作成しない場合には、これまでの現金の動きは分かりますが、これからどれだけの現金がどのタイミングで必要となるのかが分かりません。逆に予定資金繰り表だけの場合には、過去の実績にもとづいた数値 がいくらなのかわからないため、正確な予測を立てることが困難となります。

このようにそれぞれの資金繰り表には異なった目的がありますが、これらは別々に作成する必要はなく、ひとつのフォーマットの中でまとめれば、さらにわかりやすい資料を作ることができます。

資金繰り表の作り方(エクセル利用)

資金繰り表の作成は、以下のステップにしたがってすすめると、はじめての方でもスムーズに行うことができます。

Step.1 繰越金の確定

資金繰り表の作成をするためには、最初に「前月の繰越金」を確定させる必要があります。これが曖昧なまま、資金繰りを行うと、手元の現預金等と資金繰り表の内容が相違して正確な記録ができなくなります。

この繰越金は、これまでにつけた帳簿の数字をベースとして行いますが、現金、小切手、預金、受取手形などについては現物の確認をして得られた数字を使うと、さらに間違いのないものとなります。

Step.2 処理のルールの決定

資金繰り表を作成するときには、事前に自分の会社で行う資金繰りのルールを決めておく必要があります。

具体的には、

  • 売上げや仕入れの金額の計上は、どの段階で行うのか?(取引発生時・入金日・検収確定時など)
  • 支払い日が休日や日曜日の場合には、どうするのか?
  • 資金繰り表の記入はいつのタイミングで行うのか?
  • 取引先ごとの売上代金の回収条件や仕入代金の支払条件、サイトの確認

などが必要となります。

また、一度決めた処理のルールについては、途中でこれを変更しないことが重要です。

Step.3 資金繰り表の項目

資金繰り表には、これを使わなければいけないといった決まった書式はありません。とはいえ、会社の収支に関するものなので、最低限の項目は必要となります。

一般的な資金繰り表の項目としては、以下のものがありますが、会社の状況に応じてアレンジするとさらに使いやすいものとなります。

前月繰越金

前月分から繰り越された資金を記入します。金額は、決算書や総勘定元帳、通帳残高などで確認します。

営業活動による収入

現金売上、売掛金の回収、受取手形期日入金、手形の取立て、前受金の入金、その他の入金など通常の営業活動による収支に関する項目を記入します。

予定分の売上げや仕入れ額などについては、これまでに確定した額や過去の実績、季節性などを考慮して予想し記入します。

営業活動による支出

現金仕入れ、買掛金の支払、手形決済による支払、人件費の支出、その他諸経費の支払などを記入します。

もし、資金不足が発生する場合(翌月繰越額がマイナスとなる場合)は、資金不足を解消するための対策を検討し、その調達予定額を記入します。

財務収支

借入れ・返済や手形の割引、資産の購入・売却など、営業活動とは直接関係ない収支などを記入します。

融資の返済額については、金融機関が作成した償還予定表などにもとづいて、正確な金額を記入します。

次月繰越金

翌月に繰り越される資金を記入します。

なお、資金繰り表を作成するツールとしては専門のソフトなどもありますが、複雑な分析などをするのでなければ、エクセルで作成した表で十分対応可能です。

日本政策金融公庫の資金繰り表は無料で使えて便利

日本政策金融公庫では、簡易版と詳細版の資金繰り表のテンプレートを用意しており、作成手順及び記載例もダウンロードできるようになっています。

簡略版はこちら

しかし、作成手順については、簡単な説明しかないため、はじめて資金繰り表を作る方には、少し難しく感じられるかもしれません。また、月ごとに記入する内容となっているため、日・週などの細かな資金繰りには不向きです。

 

資金繰り表の活かし方

資金繰り表は、作っただけではあまり意味がありません。その内容を分析し、予測に活かすことにより、はじめてその効果を発揮します。以下では、状況に応じた資金繰り表の活かし方についてご説明します。

資金ショートを避ける

中小企業や個人事業などでは、資金的にあまり余裕がないところが多く、少しの変化で資金ショートに陥る可能性が高いため、日ごろから計画的な資金計画を立て、実行する必要があります。

資金ショートが起きやすい原因としては、主に次のようなものがあります。

  •  急な出費の発生
  •  過剰な商品の仕入れと販売不振による在庫化
  •  売掛金の回収期間の長期化または買掛金の支払い期間の短期化

しかし、これらについては、あらかじめ過去の在庫の推移や資金の支払い状況などを把握しておくことにより、ある程度防ぐことができます。

また、売掛金の回収期間の長期化や買掛金の支払い期間の短期化などは、複数の月の入金・支払い状況を比較することで把握できます。

このように資金繰り表を作成することで、異常な支出を事前にキャッチできるだけでなく、会社の経営方針を決めるうえでも重要な資料とすることができます。

財務体質の改善に活かす

資金繰り表を作成することは、財務体質の改善にもつながります。会社の財務は、日々の取引を正確に記録し、予測、実行することで成り立っているため、これをおろそかにすると、財務の内容も勘に頼ったいい加減なものとなりがちです。

しかし、このような財務の内容では、金融機関や取引先、株主などを納得させることはできませんし、十分な資金調達もできません。

とくに金融機関では、融資の際には企業の決算書、試算表、資金繰り表の内容を通帳の現金の動きと比較することで、問題なく資金が使われているかを判断しているため、これらの資料と通帳の現金の動きがあっているかも重要なポイントなります。

資金繰り表を作成する期間は?収支の予測はどの程度すればよい?

資金繰り表には、日・週・月ごとに作成する方法がありますが、基本的には月単位で作成します。

日ごとの資金繰りでは、作業の手間が煩雑となるだけでなく、活用もしにくいものとなってしまいます。また、週ごとの資金繰りでは、資金の流れを見るには中途半端となります。

しかし、月ごとの資金繰りは情報のボリューム的に管理しやすいというだけでなく、売掛けや買掛けの取引が月ごとに行われていることから、その流れを見るのに適したものといえます。

なお、資金繰り表で将来の収支を予測する場合は、最低でも直近3ヶ月、長くても6ヶ月先までの資金繰り表を作成することをおすすめします。これ以下の期間では、資金の準備が間に合わない可能性があり、また、これ以上長いと収支の予測の制度の低いものとなりやすくなります。

資金繰りの際には、運転資金にも気をつけよう!

経常運転資金と資金調達の関係

運転資金とは、「企業が通常の営業をしていく上で必要となる資金」のことをいいます。このような運転資金を「経常運転資金」といいます。

たとえば、事務所の家賃や人件費、仕入代金、光熱費など、事業を行う上で必要となる費用は、すべて経常運転資金にあたります。もし、経常運転資金が不足すれば、毎月の家賃等の支払いができなくなり、事業活動がストップしたり、倒産するリスクもあります。

このように経常運転資金は、常に会社が円滑な営業をするために必要な資金となるため、これを意識しておくことが必要といえます。

資金繰り表による経常運転資金の算出方法

この経常運転資金は、簡略的なものであれば、以下の式を使って計算することができます。

売上債権(売掛金+受取手形+棚卸資産)-買掛債務(買掛金+支払手形)

この式の中で棚卸資産以外は、すべて資金繰りの項目が関係します。

そのため、棚卸資産の金額がわかればすぐに、会社の経常資金を算定することができます。

なお、一般的には、企業が資金繰りに困らないためには、経常運転資金の約2倍以上の現預金があることが望ましいとされています。

したがって、目先の支払いの不足が生じないよう資金繰りをするのは当然ですが、経常運転資金にも注意をし、全体的なボリュームから見た資金の余裕度についても確認するようにしましょう。

まとめ

資金繰り表は、過去の資金の実績だけでなく、今後の収支を予測するために欠かせない重要なツ―ルです、資金繰り表を分析することにより、資金不足となっている原因がわかるだけでなく、財務の改善にも役立てることができます。

資金不足による支払いの不能は、企業の信用を落とすだけでなく、ケースによっては利益が出ているのに倒産する、いわゆる黒字倒産を引き起こす原因となります。

資金繰りは、経営者にしかできない作業です。したがって、経理の担当などに丸投げするのではなく、経営者自身がその内容を理解し、取り組むようにしてください。

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