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法人と個人事業の違いとは?メリット・デメリットの他、法人成りのタイミングや融資への影響についても解説

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事業計画

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これから事業を始める方の中には、「個人事業と法人、どちらで開業したらよいのだろう?」ということで悩まれている方も多いと思います。

法人と個人では、設立の際にかかる費用や税金が異なるだけなく、その後の経営の信用や事業の運営、融資などにも影響を及ぼします。

そのため、十分に自分の事業がどちらに向いているのかを考えて開業しないと、後になって「こんなはずではなかった!」と後悔することになりかねません。また、法人化する場合には、いつするのかということも重要なポイントとなります。

この記事では、個人または法人で開業する場合のメリット・デメリット、法人化するときのタイミングや融資への影響について解説いたします。

目次

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法人を選択した場合のメリット・デメリット

初めに法人で事業を始めたときのメリットとデメリットについて見てきましょう。

法人を選択した場合のメリット

法人で事業を始める場合には、次のようなメリットがあります。

個人事業よりも経費にできる範囲が広い

「経費」とは、税金の計算をする上で、収入から差し引くことが認められた支出のことをいいます。

個人事業、法人のそれぞれについて一定の経費が認められていますが、法人では「家族を含む役員に給与を支払える」「社宅家賃を補助できる」など、個人事業にはない経費が認められています。また、法人が加入する保険料についても、一定の要件を満たすものについては全額を経費とすることが可能です。

なお、交際費については法人・個人事業のいずれでも認められますが、1億円以下の法人の交際費については、飲食のための支出(社内接待費を除く)の50%と定額控除限度額(年800万円)のどちらかを選択して計上することができます。

所得が増えると税金が節約しやすくなる。

法人と個人では、前者については法人税、後者については所得税とそれぞれかかる税金の種類や課税の仕組みが異なります。

通常、所得が少ない場合には、両者でさほど大きな差は生じませんが、所得が800万円〜900万円を超えたあたりから法人税と所得税に大きな税率の差が生じるため、所得がこのレンジを超える場合には法人の方が有利となります。

信用力が増す、取引先の拡大に有利となる

一般的に、法人化することにより、社会的な信用力のある企業と見られやすくなります。特にWEB上での取引では、信頼できる企業かどうかがわかりにくいため、個人事業よりも法人の方が信用されやすいといえます。

また一部の事業者では、取引をする際に法人口座を必要とするところがありますが、法人化をしておけばこのような取引にも対応することができます。

さらに取引先の拡大をしていく場合にも、法人の方が有利となりやすく、社員の採用についても法人の方が人材を集めやすいといったメリットがあります。

青色申告をしている場合は、10年間繰越欠損が使える

企業が決算で赤字を出した場合を欠損といいます。しかし、青色申告をしている企業については一定の条件のもと、この欠損金を翌年以降に繰り越すことが認められており、これにより翌年以降の利益を欠損金と相殺することで法人税等を軽減することができます。これを「欠損金の繰り越し」といいます。

この欠損金の繰り越しは、個人事業では3年間しか認められていませんが、これに対して法人の場合は、10年間繰り越しすることができます。(ただし、資本金1億円以下の企業に限る)

許認可などの承継がしやすい

建設業や古物商など許認可が必要となる事業をしている個人事業では、その代表者に交代や相続があった場合、原則、許認可等の取り直しが必要となります。

そのため、このような場合には免許番号を更新することができず、それがきっかけで対外的な信用を落とす原因となる可能性があります。しかし、法人の場合は事業承継の手続きをすれば、比較的簡単に許認可等を引き継ぐことができるため、スムーズに許認可を承継することができます。

※許認可によっては、承継ができないものもあります。

その他の法人のメリット

その他の法人のメリットとしては、「法人に相続税がかからない」(ただし、会社の株式の相続人には、相続税がかかります)「代表者と個人の責任を分離した経営ができる」などがあります。

法人を選択した場合のデメリット

一方、法人で開業する場合には、次のようなデメリットや負担が生じます。

法人の設立に一定の費用がかかる

法人を設立するときには、一定の費用が必要となります。なお、かかる費用は法人の種類により異なります。

<株式会社と合同会社の場合の比較>

※株式会社の認証の手数料は、これまで一律「5万円」でしたが、令和4年1月1日から資本金の額等が100万円未満の場合は「3万円」に、資本金の額等が100万円以上300万円未満の場合は「4万円」に、その他の場合は「5万円」へと改められました。なお、設立手続きをする際の専門家への報酬は、別途となります。
株式会社 合同会社
登録免許税 15万円~ 6円~
定款認証代 3万円~※ 不要
印紙税 4万円 ※ただし、電子定款の場合は不要

社会保険への加入が強制となる。保険や年金の会社負担が大きくなる。

法人の場合は、社長が一人しかいない場合であっても、労働者を使用している場合には、原則、すべての社会保険(健康保険、厚生年金、雇用、労災保険、)への加入が義務となります。

また、従業員の保険料や年金については、その半額以上(労災保険については全額)を法人が負担しなければなりません。

赤字でも一定額の税金が発生する

個人事業の場合は、所得の額に応じて住民税が課税されますが、所得額が一定以下の場合には非課税となります。

これに対して、法人の場合には、所得に応じて法人税が課税されますが、所得が赤字の場合でも7万円※の法人住民税(均等割分)を支払う必要があります。

※ 東京都の場合。かかる金額は都道府県により異なる場合があります。

事業内容が定款の目的によって限定される

法人の事業は、原則として、定款の「事業の目的」の中で定められたものしか行うことができません。この点は、制限がなくいつでも自由に好きな営業をすることができる個人事業と異なります。

また、定款の中に付帯事業の項目を入れてある場合には、本業に近い事業を行うことができますが、まったく違う業種や許認可が必要な事業を行う場合には、それが定款の目的欄に明記されている必要があります。

記帳や決算手続きが複雑になる 

個人事業では記帳をする場合の仕分け数が少なく、取引の内容も単純なものが多いといえます。

しかし、法人の場合には、個人事業よりも勘定科目や仕訳の数が多くなり、記帳や決算の手続きの際に専門的な知識も必要となるため、その分処理に手間や時間がかかりやすくなります。

個人事業を選択した場合のメリット・デメリット

続いて、個人事業を選択したときのメリットとデメリットを見ていきます。

個人事業を選択した場合のメリット

個人で開業する場合には、次のようなメリットがあります。

簡単な手続きで開業できる

個人事業の場合は、事務所を管轄する税務署に「開業届」を提出するだけで、すぐに事業を始めることができるため、少ない手間と経費で開業できます。

※但し、許認可や届出等が必要な場合を除く

自分で事業の内容を決められる

法人の場合は設立時に定款でこれから行う事業内容を決めておく必要がありますが、個人事業の場合にはこのような制限がなく、いつでも自由に自分でしたい事業をすることができます。 

記帳や申告手続きがしやすい

個人事業の場合には、比較的、小規模な取引が多いため、法人と比べて簡単な手間で記帳や申告の手続きをすることができます。また専門家に依頼しなくても自分でできる場合も多いため、その分経費の節約となります。 

スタートアップで出資の受け入れをすることができる。

株式会社であればスタートアップ時にベンチャーキャピタルやエンジェル投資家から出資をしてもらうことができます。

個人事業を選択した場合のデメリット

法人よりも社会的な信用が低い

個人事業は、法人よりも社会的な信用力が低いといえます。また企業によっては個人事業との取引が制限されていたり、一部のローン(法人対象のローン)が利用できないことがあります。

採用などで不利となりやすい

個人事業は法人と比べて、採用などで不利になりやすい場合があります。

一定以上の利益が出た場合には税負担が重くなりやすい

個人事業で課税される所得税は累進課税のため、一定の所得を超えた場合には、負担が大きくなります。

なお、はじめは個人事業で開業して、ある程度経営が軌道に乗ってから法人にしたいとお考えの方も少なくないですが、そのような場合には、はじめから法人として開業することをおすすめします。

なぜなら、このようなケースでは場合には、以下のような手間がかかったり、デメリットが生じるからです。

  • 個人事業から法人成りをするときには、一度決算をし、その上で新たに法人としての記帳や決算手続きをしなければならない。
  • 取引や融資出、個人事業時代の経歴のすべてを評価してもらえないことがある。
  • 法人成りをした時に許認可を引き継げない。

したがって、より長い事業の経歴を作ったり業績を引き継ぎたいのであれば、はじめから法人として開業する方が有利といえます。

法人成りを検討した方がよいタイミング

個人事業主で起業しても、その後、売上げや取引先が増えたような場合には、法人化を検討する必要が生じてきます。このような場合において、「いつ、法人化をするか?」については、さまざまなタイミングが考えられますが、その代表的なものとしては以下のものが考えられます。

課税売上高が1,000万円を超えたとき

個人事業主が法人成りをするタイミングの一つとして、「売上高が1,000万円」を超えたときがあげられます。

個人事業主が売上げ1,000万円を超えた場合には、原則、2年前の売上高に消費税が課税されるため、2期前の売上げが1,000万円を超えている方については、その翌年から消費税が課税されます。

しかし、法人成りをした場合には、さらに最大2年間の消費税の免除を受けることが可能となります。

なお、新設法人と個人事業主はまったくの別人格となるため、個人事業主の過去の売上高は法人には影響しません。

ただし、2年間消費税の免除を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。

  1. 「設立した会社の資本金が1,000万円未満」であること(1期目免除の要件)
  2. 特定期間の売上げまたは従業員給与が1,000万円以下であること(2期目免除の要件)

※特定期間:個人事業主の場合は、前年の1月1日から6月30日

そのため、これらの要件を満たせる場合には、課税事業者となる少し前が法人成りに適したタイミングといえます。

所得金額が800万円を超えたとき

法人成りのタイミングとしては、「所得金額が800万円を超えたとき」もよいでしょう。

個人事業主については、その所得に対して所得税が課せられますが、税率は5%~45%となっており、所得が増えるほど累進的に税率が高くなります。ちなみに、課税される所得金額が1,949,000円までの場合の税率は5%ですが、 3,299,000円までの場合には10%、6,949,000円までの場合には20%、 8,999,000円までの場合には20%となります。

一方、法人には法人税が適用されますが、こちらの税率は利益が800万円以下の部分には15%、それ以上の部分については23.2%となり、累進性も低めです。そのため、この2つを所得部分のみについて比較すると、課税所得が800万円以上になったときに、個人事業主の所得税率が法人税率を上回ることとなります。したがって、個人事業主の所得が800万円を超えたあたりが法人に切り替えるタイミングとなります。

なお、法人の場合、役員報酬を大きくすることにより法人税を削減することができますが、その分、役員報酬に対する所得税は大きくなることに注意が必要です。

事業の拡大や資金調達をするとき

個人事業主が、さらに売り上げを伸ばし事業を拡大しようというときも、法人成りのタイミングといえます。

事業の拡大時には、多くの資金が必要となるため、ケースによっては資金調達をする必要が生じますが、もし、この調達を融資だけでなくベンチャー企業などからの出資で考えている場合には法人化をする必要があります。

また、日本政策金融公庫の新創業融資制度のような無担保無保証の融資を法人で利用する場合には、倒産などの万が一の事態が生じた場合でも、代表者が連帯保証人としての責任を負わずに済むというメリットがあります。

インボイス制度の利用を決定したとき

「インボイス制度」とは、消費税の額を正確に把握し、間違いやミスを防ぐことを目的とした制度です。

これにより、取引内容や消費税率、消費税額などの記載要件を満たした「適格請求書」を保存・発行し、売り手が買い手に対してより正確に消費税額を伝えることが期待されています。

インボイス制度は2023年10月1日から登録申請書の受付開始が予定されていますが、2023年10月1日から登録を受けるには2023年3月31日までに登録申請書を提出しなければなりません。

現在、課税事業者は、消費税を納税する際、自身が受け取った消費税を納税額から差し引くことができます。これを「仕入れ税額控除」といいます。仮に、売上げ税額が100万円で、仕入れ税額が60万円の場合、納付すべき消費税額は40万円となります。これまでは単にこの仕入れ税額控除を利用して40万円の消費税を納めればよかったのですが、インボイス制度の導入後は、仕入れ税額控除を受けるためには「適格請求書」の発行が必要となります。

もし、法人成りにより免税事業者となった場合には、適格請求書を発行できない事業者ということになりますが、その場合、取引の相手方は仕入れ税額控除の恩恵を受けることができなくなってしまいます。

そのため、免税事業者とは取引しないという取引先が出てくる可能性も考えられます。

法人成りをして、課税業者になることを選択した場合には適格請求書を発行することはできますが、その場合には、消費税免除のメリットを利用できなくなります。

以上ようにインボイス制度が実施された後においては

  • 「消費税免除のメリットを選ぶか?」
  • 「課税事業者となって、適格請求書を発行する事業者となるか?」

という問題が生じるため、法人成りの際にはこれらについても事業の状況を踏まえて決定する必要があります。

融資や出資で有利なのは法人か、個人か? 

融資を受ける場合について

法人と個人事業の検討をする際に、よく問題となるのが「「法人と個人ではどちらが融資を受けやすいのか?」ということです。

これについては、「法人でも、個人でも、融資審査に有利不利はない」が正解です。また、このことは日本政策金融公庫の担当者も明言しています。

たしかに以前の最低資本金制度がある頃は、株式会社については1,000万円、有限会社については300万円以上の資本金が必要という制限があったため、それだけの自己資金が確認できる法人の方が有利という面もありました。

しかし、現在では、最低資本金制度は撤廃され、法人であっても1円から設立することができるようになったため、この点についての差はなくなっています。また、資金金以外の点についても、事業の規模が変わらないのであれば、やはり融資に与える影響に差はありません。

したがって、現在は法人と個人事業による融資の受けやすさに違いはなく、それよりも「自己資金がどのくらいあるか?」や「売上の見込みがどれだけ確実なのか?」などといったことが、審査における重要なポイントとなります。

ただし、一部のビジネスローンには法人しか利用できないものもあるため、このようなケースでは個人事業が不利といえます。

出資を受ける場合について

ベンチャーキャピタル(VC)やエンジェル投資家から出資をしてもらい、事業を大きくする場合には、株式会社となっていることが前提条件となります。

とくにVCでは、投資をした株式をIPO(株式の上場)またはM&Aの手法で売却することにより利益を得ることを投資の目的としているため、出資の段階で一定数の株式を保有する必要があります。

また、エンジェル投資家においても最終的には投資額以上のリターンを期待していることがほとんどのため、流動性のある株式を通じた投資をするのが一般的です。

そのため、これらから投資を受けるまたはその予定がある場合には、株式会社の形態にしておく必要があります。

法人成り後に個人事業を残す場合の6つの注意点

個人事業から法人成りをした場合には、個人事業を廃業するのが一般的ですが、個人事業で複数の事業を行っていた場合に、そのうちの一部だけを切り離して法人にすること自体は問題ありません。

しかし、その場合には以下のようなデメリットが生じる可能性があるため、これらについてもよく考えたうえで個人事業を残す判断をする必要があります。

1. 法人・個人ともに売上げが少なくなる

個人事業の一部を残して法人成りをした場合には、既存の事業の一部が法人となり、残った部分は個人事業として事業を続ける形となります。

しかし、業績が急拡大しているような場合を除き、通常はもとの事業の規模に変化はないため、事業を切り分けたことにより、法人・個人事業のいずれについても、売上げの規模が小さくなってしまいがちです。

このような結果は、節税対策としては有効に作用することもありますが、事業規模が小さくなることで、競争力が低下したり、資金繰りが厳しくなりやすくなります。

2. 資金調達等の審査で不利になる可能性がある

通常、融資や資金調達の審査では、法人と個人事業は名目上、別事業とみなされるためそれぞれについて審査が行われます。そのため、事業を法人と個人事業に分離したことにより、それぞれの売上や利益が低下する場合には、審査においても不利となります。

また、通常は、法人成り後に個人事業を残すメリットがないことから、しっかりとその理由や趣旨を説明できない場合には、節税目的のために行っているのではないかと疑われやすくなるといえます。

3. 総合的な税負担が大きくなりやすくなる

法人成り後に個人事業を残した場合、個人事業については、所得税や住民税、個人事業税などがかかる他、法人で役員報酬をもらっていれば、それも給与所得として課税対象となります。

一方、法人の事業については、 法人税・法人住民税・法人事業税などの税金がかかりますが、法人の場合は個人事業と異なり、仮に利益が赤字となった場合でも法人住民税の均等割額が発生します。(金額は地域によって異なりますが、東京23区の最低額は7万円)

また、個人事業で課税売上高が1,000万円を超える場合には、消費税免除の特典も利用できなくなります。さらに、法人については、原則、設立後2期を経過するまでは消費税の免除対象となりますが、資本金や期中の売上げ、給与支払額が1,000万円を超える場合などには、消費税の課税対象となります。

このように法人と個人事業の双方を残す場合には、そのいずれについても通常より大きな税負担をしなければなる可能性があります。

4. 記帳や申告手続きの手間が増える

法人と個人の両方で事業をする場合には、法人については決算申告、個人については確定申告の手続きがそれぞれで必要となるため、記帳や申告手続きが増えるとともに、税理士に手続きを依頼した場合の費用も大きくなります。

5. 利益相反取引となる可能性がある

法人と取締役個人の間で売買などの取引を行う場合には、両者の間に利益相反関係が生じます。

通常法人と個人事業の双方を行っているケースでは、個人事業主が法人の役員にもなっているケースが多いため、この間で取引をするときには、法人側で株主総会又は取締役会による事前の承認決議を行う必要が生じます。

6. 取引先に混乱を生じる可能性がある

法人と個人で同じ内容の事業をした場合、既存の取引先にとってはどちらと取引を続ければよいのかがわからなくなってしまいます。また、新規に取引を始めた顧客にとっても、法人と個人でどのような違いがあるのかがわからないと、取引をする上での支障となります。

事業の内容が完全に分けられている場合は問題ありませんが、同じ事業を引き続き行うような場合には、取引先を混乱させる要因となります。

日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用するなら法人がおすすめ

以上、個人事業と法人のメリット・デメリットをご説明しましたが、もし、開業後に日本政策金融公庫の「新創業融資制度」を利用する予定の場合には、はじめから法人で開業することをおすすめします。

なぜなら、公庫の新創業融資制度を法人で利用した場合には、「代表者が連帯保証人にならなくともよい」という、特別な無担保・無保証制度を利用できるからです。

ただし、この新創業融資制度を利用するには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 開業前または開業後2期を過ぎるまでの方が申し込める
  • 創業にかかる経費の1/10以上の自己資金が必要
  • 創業計画書を作成、提出する必要がある

新創業融資制度のその他の利用条件は、以下のとおりとなります。

<新創業融資制度の概要>

資金用途 新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金
融資限度額 3,000万円(うち運転資金については1,500万円が限度)
返済期間 各融資制度に定める返済期間以内
利 率(年) 2.31%~3.10%(令和4年9月現在)
担保・保証人 原則、不要

法人がこの制度を利用して借り入れをする場合には、代表者個人には責任が及ばないものとなっています。なお、もし、法人で代表者が連帯保証人となる場合には、利率が0.1%低減されます。

基本的に、以上の要件を満たす法人であれば、代表者保証のない無担保無保証でこの融資制度を利用することができます。このような代表者の保証の必要ない創業者向けの融資制度としては、これが唯一のものとなります。

この制度であれば、個人的な保証の心配をする必要がなく、また、万が一、事業継続ができなくなった場合でも、少ない負担で新たに再出発することが可能となります。

しかし、法人では法人と代表者とに法人格が分かれているためこのような取り扱いが可能となりますが、個人事業では事業本体と経営者が分離していないため、代表者が連帯保証人ならなくてよいというメリットを利用することができません。

まとめ

個人事業と法人ではそれぞれについてメリット・デメリットがありますが、個人事業については、初期時に費用をかけずに開業できる、開業届を出すだけで事業を始められるといった手軽さが特徴となります。

これに対して法人の場合には、信用力が大きくなる、一定の所得以上となった場合の節税効果が大きいなどのメリットがあります。

しかし、前者については、信用力や事業規模を大きくしにくい、継続的な事業承継がしにくい、後者については、個人事業よりも設立や運営のコストがかかる、事業が目的の範囲内に限定されるといったデメリットがあります。

そのため、それぞれについてメリット・デメリットを考えてどちらにするかを検討すべきですが、インボイス制度における「適格請求書」の発行事業者となる場合には、法人成りをした時の消費税免除の特典が使えなくなるということにも注意しましょう。

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